秋に始める寄せ植え
#11 紅葉に映える葉野菜と白花コスモス

葉野菜とコスモスの寄せ植え
秋色に染まる庭のカエデの木の下で、チマサンチュとサニーレタスを育てました。
同じ鉢に寄せ植えした白いコスモスの花も秋風に揺れています。
組み合わせた植物
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【植付けプラン】
※上から見た配置
- チマサンチュ(青葉種) 3株
- サニーレタス 2株
- コスモス(白色) 3ポット(1ポットに数株入っています)
コスモスの代わりに、キクやリンドウを入れても秋らしい組み合わせになるでしょう。

プランター&鉢サイズの目安
今回使用したものは、木桶のような楕円形のプランター(横幅50×奥行31×高さ45cm)です。
組み合わせのポイント
- プランターの前列に緑鮮やかなチマサンチュと暗紫色のサニーレタスを交互に植えました。チマサンチュの葉はぐんぐん大株になり、サニーレタスは葉陰になります。いずれの株も外側の葉から収穫して風通しよく育てます。
- プランターの後列には、やや草丈の高い白いコスモスを配置しました。この組み合わせならば、葉野菜も花も冬まで長く楽しめます。
鑑賞のポイント
- 秋が深まると、木々の緑も草の緑も色あせてきます。枯れ葉色の世界に、明るい緑のチマサンチュが見る者を元気にしてくれます。暗紫色のサニーレタスを間に入れることで色彩にメリハリがつきます。

- コスモスの花色には、白のほか濃いピンクや淡いピンクがありますが、黄色から朱赤へと変化するカエデの紅葉に映える白花がおすすめです。

育て方
- ◆タネ播き時期:
チマサンチュ・・・9月〜10月
サニーレタス・・・9月〜翌2月 - ◆苗の植えつけ時期:
チマサンチュ・・・9月下旬〜11月中旬
サニーレタス・・・10月〜翌3月
◆収穫時期:
チマサンチュ・・・10月〜翌1月上旬
サニーレタス・・・12月〜翌5月
- チマサンチュには赤葉種と青葉種があります。いずれも病害虫や寒さに強く育てやすいので、ほかのリーフレタスが収穫できない時期にも栽培できて便利です。
- 外葉からかきとって利用する場合は栽培が長期間に及ぶので、追肥は少しずつ回数を多くして与えましょう。
esssay
ヒガンバナの今昔

例年、秋の彼岸に一斉に咲きそろうヒガンバナ。しかし、去年あたりから開花時期がまちまちになっているように感じます。 日本のヒガンバナは、中国から渡来した1株の球根が全国的に広まったもので、遺伝的には全く同一のクローンです。それが同じ時期に咲く理由とされてきましたから、このところの異変は不思議です。
ところで、ヒガンバナが田んぼのあぜ道や墓地によく見られるのは、その毒性がネズミやモグラを防いだり、土葬の遺体を肉食獣から守るのに役立ったからだといいます。そのように利用する一方、「死人花」とか「幽霊花」とか「痺れ花」などの方言名が物語っているように、庭には決して植えられることのない忌み花でした。
しかし、最近は「リコリス」の名で、白・ピンク・黄など花色も形も開花期も異なる園芸品種が普及して、その美しさが観賞されるようになりました。時代とともにヒガンバナのイメージも変化しているようです。
◆「木原先生のおいしい寄せ植え講座」に掲載されている写真は、木原先生が自宅の庭で楽しんでいる寄せ植えを撮影したものです。
◆植え付けと収穫の時期は神奈川県横浜市が基準となっています。皆さんのお住まいの地域に合わせて調整してください。
木原先生プロフィール
- 木原 ゆり子(きはら ゆりこ)
- 京都生まれ。(財)木原生物学研究所勤務を経て、木原記念横浜生命科学振興財団理事。神奈川県在住。自宅の庭に来るリスや野鳥や虫を友に花と野菜を栽培しながら、動植物に関するエッセイを各誌に執筆。
著書に「花もコンパニオンプランツも楽しむ〜オーガニック野菜の寄せ植え」(文化出版局)がある。
