第11回 ミズナの栽培のコツ

プランターで大変栽培しやすく、立派なものが収穫できます。8〜9月まきがおすすめです。

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目次

ミズナは「京菜」とも呼ばれ、京野菜として有名です。シャキシャキとした歯ごたえと栄養豊富で美肌効果があることなどから、最近人気が高まっています。サラダ、煮物、漬物、そしてこれからの季節には特に鍋物に大活躍する野菜です。白肌美形で早生種の「京みぞれ」、大株に育つ「白茎千筋京水菜」がおすすめです。8月以降の栽培が大変つくりやすので、ぜひ作っていただきたいと思います。

種まき 7月上旬〜10月上旬

・プランターまたは育苗容器にタネをまきます。
・双葉の時に2cm間隔に間引きます。
・直まきの場合は本葉1枚の時に最終株間を3〜4cmに間引きます。移植する場合は2cm間隔のまま本葉5〜6枚まで育てます。

【ポイント】
生育適温は20℃前後なので、8月末〜9月上旬ごろの種まきがおすすめです。

ミズナのコツ1 種まき

プランターは標準的な65cmプランターで充分です。大きすぎる場合は、レリーフプランター550(55cm)を使ってください。 土は市販の標準的なものや、再生材などで改良した古い土で十分です。

<プランターサイズと植え方>※株間20cmの場合
■レリーフプランター650
(幅約65.3×奥行約24.5×高さ約18.5cm)
まき方・植え方:2条
株数(直まき):32
株数(育苗):26
■レリーフプランター深型600
(幅約55.4×奥行約24.1×高さ約18cm)
まき方・植え方:2条
株数(直まき):26
株数(育苗):22
■ベジタブルポット9号
(直径約30.1×高さ約25.7cm)
まき方・植え方:5cm間隔
株数(直まき):11
株数(育苗):11

ミズナはアブラナ科野菜なので、コナガ、アブラムシなどの害虫が多いので、7月から9月頃までは寒冷紗を隙間のないように掛けましょう。 害虫の産卵防止のため、種まき後すぐに行うこと。

高さのある棒をプランターの際に差し込み、その上から寒冷紗を被せても良い。

追肥 7月下旬〜12月上旬

ミズナのコツ2 肥料と水やり

【肥料】
肥料は定植時に元肥を、その後追肥を20日ごとに2回、両端と条間に上岡式条溝施肥します。 葉色が薄い時は、1000倍の液肥を4〜5日に1回与えます。

<プランターサイズと肥料の量>
■レリーフプランター650
(幅約65.3×奥行約24.5×高さ約18.5cm)
肥料(1回の量):20g
■レリーフプランター深型600
(幅約55.4×奥行約24.1×高さ約18cm)
肥料(1回の量):20g
■ベジタブルポット9号
(直径約30.1×高さ約25.7cm)
肥料(1回の量):15g

【水やり】
ミズナはその名の通り水をたくさん吸収するため、湿り気のある排水性の良い土を好みます。乾かさぬよう毎日十分に水やりしましょう。

定植

・本葉が5〜6枚になったら定植します。 写真は、標準プランターに株間5cm、片側12本の2条植えにしたところ。

収穫 8月下旬〜1月

草丈が25〜30cm程度になったら、1株ずつ収穫します。

【ポイント】
株元の枯れた葉は取り除き、株を清潔に保ちます。 枯れた葉をそのままにしておくと、エチレンガスが発生し、近くの葉を枯らす原因になります。

ミズナのコツ3 収穫

草丈が25〜30cm程度になったら、収穫時期です。 大株に育てたい場合は、間引き収穫しながら栽培していきます。 耐寒性が強いので、1〜3月でも収穫ができます。冬どりは甘みがある上、霜にあたると柔らかくなりおいしく食べられます。

小株どり

大株どり

※上岡先生の「プランター菜園のコツ」に掲載されている写真等は、上岡先生が自宅屋上で育てた野菜を撮影したものです。
※栽培スケジュールは、兵庫県明石市が基準となっていますので、皆さんのお住まいの地域に合わせて栽培時期を調整してください。

上岡先生プロフィール

上岡 誉富(うえおか たかよし)

園芸研究家。愛媛県出身、現在は兵庫県在住。農林水産省園芸試験場勤務を経て、兵庫県農業試験場淡路・宝塚分場長で退職。その後、園芸相談などを勤めながら園芸研究家として活躍。(株)タキイ種苗「園芸新知識 野菜号増刊 野菜ガイド」で執筆中。自宅でも野菜づくりを実践しており、屋上でプランター菜園を始めて15年以上。

著書

『かんたん!プランター菜園のコツのコツ〜上岡流 写真図解でわかる逸品づくり(農文協)〜』
プランターでの野菜栽培の基礎の基礎から48種の野菜の作り方までが、分かりやすく豊富な写真と図で解説。上岡先生のプランター野菜づくりのコツをもっと知りたい時はこの本を!

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