
定年退職後の再雇用を断って、人生の後半は自分の好きなことをやろうと決めた一つが庭づくりでした。
住居としてログハウスを建てたのは定年を迎える2年ほど前。周りを囲むフェンスや植樹、外構まで自分でやろうと考え、小屋も4棟建てました。何もかもが初めてのことでまったく自信が無い中、最初に取り掛かったのは排水対策。前庭に深さ70cmほどの溝を掘り、100mm径の透水管を入れてバラスで埋め戻し、表土に真砂土を敷いてから植樹作業へ。当時、ワンボックスカーに載るほどだった小さな庭木たちは、害虫被害に悩まされながらも、いつしか見上げる高さにまで大きく育ちました。
花の季節
ニセアカシアの黄色い葉っぱとスモークツリーの銅葉、新緑が美しい風景を作ってくれます。花壇も宿根草が芽吹き、水仙が芽吹いてにぎやかに彩を作ります。スモークツリーは銅葉と緑葉の二種類があります。花が咲きやすいのは緑葉の方ですが、銅葉が異色な風景を作ってくれるのも捨て難い魅力です。
わが地方は内陸部のため冬の寒さが厳しく、花の季節が沿岸部地方に比べると半月ほど遅れます。5月中旬、バラはまだ一輪二輪と咲き始めたばかり。ただしナニワイバラとモッコウバラの二種類は満開を迎えます。紅かなめの赤い芽吹きとナニワイバラの白い花が新緑に映え、鮮やかなコントラストに。これから本格的なバラの開花を待ちます。
さわやかな風が田舎の集落を包み込み、囲む山々は黄緑色に萌え、田植え前の田んぼで優雅にツバメが飛ぶ姿を見ると、この季節ならではのやさしい風情が漂います。
樹高が2mを超えるビバーナムスノーボールが今年もたくさんの花をつけてくれました。ナニワイバラも見事に咲きました。モッコウバラは、私が自作した小屋と屋根付きデッキに絡ませています。花後は8月までに切り戻しをしておけば10月ごろまでツルが伸びるので、その後に伸びたツルを冬に誘引するというスケジュールです。
南側のメイン花壇は見ごろを迎え、色とりどりの草花が咲き乱れ、しだいに初夏の庭らしくなっています。
バラの開花
しばらく良いお天気が続くと、バラのツボミが大きく膨らんで咲き始めます。2年ほど前に植えたコクテールは四季咲き性で秋まで咲き続けてくれます。
木製オベリスクに誘引しているのはアンジェラです。アンジェラは四季咲きツルバラ、花付きが抜群に良いのが素敵です。パレード(四季咲きツル)、モーツアルト(小輪房咲き)も咲きました。
3m×2mの自作した大型パーゴラに、ポールズ・ヒマラヤンムスクとピエール・ドゥ・ロンサールを絡ませたのは12年前のこと。今ではポールズ君がほぼ占有している状態です。ポールズ・ヒマラヤンムスクは枝垂れる姿が似合うバラ。今年も見事に沢山の花をつけてくれました。
奥に見える小屋は自作したうちのひとつです。薪を保管するための薪小屋で、写真は完成当時のもの。庭の景観上、窓とドア付きの外観にしましたが、実際には疑似窓・疑似ドアのため、開閉はできません。
夏の風景
中央に満開の雪明かり、小輪咲きなので遠くから眺めるとバラらしくないように見えます。庭全体に白い花が目立つのは、白は妻の好みの色だから。植栽は妻が担当しています。
エゴノキも見事に花を咲かせました。この木は花後に小さな実をつけ、ヤマガラの好きな餌になるのです。
セッコクは日本の山に自生するラン科の植物で、ランでありながらとても育てやすい植物で、耐寒性あり。四季を通して戸外で育てることができます。素焼き鉢にミズゴケを使って植えて置けば水やりも必要なくて降雨だけで十分。園芸用に改良されたいろんな品種もあり、収集マニアもいるようです。
6月下旬にはスモークツリーの煙を思わせる花が咲きました。
ユリが一番きれいな時期を迎えます。鹿の子ユリ、ブラックビューティも、一球の球根からこれだけの花を咲かせています。ブラックビューティの手前には背の高いヒマワリを植えています。高さがあるので花壇に立体感が出る。夏らしい風景です。
フロントガーデンで咲く紫色の花はクレマチス、手前はエキナセアです。エキナセアも、この時期、庭で存在感を放っています。
秋に備える
秋から冬に備えて、ビデンスを植え替えました。わが家のヒデンスは、秋から初冬まで咲いてくれる種類です。晩秋になって庭の落葉樹が赤や黄色に染まる頃、ビデンスの花が咲くと風景は格別の趣があります。コスモスのほかに、ホトトギスも秋を実感する花です。
イロハモミジ、アメリカフウなど、赤色や黄色に焼けて晩秋の装いになりました。晩秋が過ぎると落葉の季節になり、やがて殺風景な冬の季節を迎えるのです。落葉樹は冬木立になって休眠している時期に剪定をします。バラの剪定にもかなりの時間を要しますが、来年に向けて必要な作業です。
春に向けて
まだ寒さが感じられる春先から咲き続けてくれるクリスマスローズは、花の咲く期間が長くて清楚な姿で魅了してくれます。バイモユリは全体的な形はスズラン水仙によく似ていますがゼンマイのような髭が花首から出ています。
春のために植物の根や芽が動き始めているこの頃です。四月上旬からは落葉樹の芽吹きの季節。若葉が萌える季節は感動的です。この頃になるとガーデニングの意欲も刺激的に強くなります。
ポリカ屋根付きの小屋のデッキでは波板を射す光も強くなって温かさが増し、戸外の作業も楽しくなってきます。鉢植えで咲いた花をデッキに運び、小さなディスプレイ花壇を楽しみます。新緑も出始めて花壇ではパンジーや水仙、チューリップなどが色とりどりに咲いてくれます。春はそこまで来ています。
プロフィール
buronicaさん
- 住まい
- 一戸建て
- ガーデニング歴
- 私は12年ですが、妻は30年くらい
- お気に入りの植物
- プンゲンス・ポプシー、クリスマスローズ、つるバラ
- ホームページ
- 山里の暮らし
編集部より
自然豊かな景観に囲まれたお庭です。たくさんの樹木や花たちが鮮やかに彩る、四季折々の眺めに心が和みます。ログハウスや小屋、パーゴラや柵、小道など、すべてご自身で作り上げたというのは驚きでした。お庭をより素敵に見せてくれていますね。これからも魅力あふれる素敵なお庭作りにますます期待しています。