心ときめく空間を夢見て住宅密集地での庭作り #147 りんかさん

住宅密集地で、日当たり、土壌条件など制約の多い場所ながら、植物にあふれた見どころいっぱいの空間を作り上げた、りんかさんのお庭です。

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目次

東京郊外に建売住宅を購入後、ガーデニングに目覚めたのはよいのですが・・・。納得いく庭づくりができず、試行錯誤の日々です。まずは、土壌改良から始めました。南側には家が建っているので、日が当たるのは、3月から10月。もともと水はけの悪い地質なので、この環境でも育つ植物を探しながら、ようやく形になってきました。
細長い庭ですので、小道を蛇行させることで、先に進むわくわく感を演出してみました。また、ウッドフェンスは、日照条件や風通し、目隠しの役目も考慮して、デザインしました。これからは、ウッドフェンスを利用して、もう少し立体的な庭作りを目指したいです。

南の庭 −限られたスペースで

こちらは5月の南向きの庭です。限られたスペースでこれだけの花を咲かせることができました。
狭小の庭では、幅のとる植物は植えられません。何とか縦の空間を活かせないかと、ツルバラやクレマチスを取り入れることにしました。ただ隣家と接している面に誘引することが多くなるので、バラはトゲが少なく、大きくなりすぎない品種を選んでいます。条件は厳しいですが、住宅密集地でも、癒される空間作りを行ってきました。

既製品のランプに、アンティーク調のペイントを施したり、プランツタグを手作りしました。使っていなかったオベリスクにアルミワイヤーを巻き付け、フォーカルポイントとなるように青くペイントしてみました。

ウッドフェンスは、目隠しの意味も兼ねて、昨年の秋から計画して新たに取り付けたものです。アルミ支柱は業者の方で設置してもらいましたが、フェンスとパーゴラはサイズ設計やデザイン案も含め、さまざまな人に協力していただきながら、自分で作り上げました。室外機横に誘引している鉢植えのツルサマースノーも満開になり、小道は花でいっぱいです。リビングにいても、外からの視線が気にならなくなりました。

リビングからの眺めです。5月のバラのシーズンが終わると、南の庭はグリーン一色。様々なリーフを取り入れることで、夏は涼しげに、秋は黄葉が楽しめます。
庭の様子がいつでもリビングから眺められるのは、狭小の庭の特権です。(*´∀`*)

狭小の庭には、隠したいところがたくさんあります。雨水桝、家の基礎、エアコンの室外機などです。グラスや鉢、コッツウォルズストーンを使って、家と庭がうまくなじむように工夫しました。

玄関前 -我が家のメドウガーデン

玄関前のスペースを使って、私なりの「メドウガーデン」を目指してみました。花木や一年草、宿根草まで、たくさんの種類の植物を育てています。自分でも数えたことはありませんが、ざっと100種類くらいあるのではないかと・・・(^^;)
昨年は、レンガを積んで、中に防草シートを敷き、土を入れただけの簡易花壇を作りました。おかげで水遣りがとてもラクになりました。

木材を使って花台を作りました。花台に載せることで、植物にも日が当たりやすくなり、立体感も出たようです。鉢の色を統一することで、鉢ばかりの玄関前が少しスッキリしました。鉢の色が気にならないので、花もすっと目に入ってくる感じがします。オープンガーデンの看板も手作りです。

種から植物を育てるのが好きです。発芽する瞬間がたまりません。種が手に入らないときは、一つ苗を購入して、そこから種を取ります。スペースに限りがあるので、余った苗は近隣の方にお譲りすることも。
春に種まきした苗は梅雨に入る前に、鉢や花壇に定植することにしています。初夏は、花の入れ替え時期なので、玄関前はおしくらまんじゅう状態。花壇の前にまで鉢が並んでいます。

夏が始まり、メドウガーデンはいよいよ見頃を迎えます。リアトリスが咲くと存在感があります。ペルシカリア ファイヤーテールとアガスターシェ ブラックアダーの組み合わせが素敵。チーゼルを育て始めて3年目。今年はこんなに蕾をつけてくれました。葉も美しいカンナ ベンガルタイガーも咲きました。個人的には、夏こそオレンジや黄色の花を一番楽しめる季節なのではと思っています。

庭作りの記録

まずは庭作りのビフォーアフターです。土壌改良でかなり時間をとられ、ビフォー状態にするのも、とても大変でした。その後、やっと植物を植えたのもつかの間。思い描いた庭と違うと感じ始め・・・4年に渡り、植物選びも含めてマイナーチェンジを繰り返して、やっとアフターの状態になりました。この期間を経て感じたのは、観察がいかに大切かということ。小さな庭でも、季節によってめまぐるしく生育環境は変わります。百軒の家があれば、百通りの生育環境をもつ庭が存在することを学びました。

昨年の冬にレンガの小道を作りました。レンガを並べ、その両サイドにプラスチック板をつなげだ囲いを立ててから「固まる土」を流し込む方法です。通路が狭いので、レンガは一つ一つタガネで割り、並べていきました。完成後、庭の印象がかなり変わりました。
そして今年の冬にはウッドフェンスを設置しました。フェンス部分とパーゴラは、この場所に適した構造やデザインが決まるまでに半年ほどかかりました。ノコギリとインパクトドライバー片手に、冬の最中、コツコツと作り上げました。

お気に入りの花とグラス

アリウム パープルセンセーション、テウクリウム ヒルカニカム、バーノニアが大好きです。お気に入りの花を考えたら、全て同じような色でした(笑)。でも、同じ色でも、姿かたちは全く違います。どんな花とも調和する色なので、庭でとても使いやすいです。

オーナメンタルグラスを集めるのが好きです。ペニセタム レッドボタン、デスチャプシア カエスピトーサ、カラマグロスティス カールフォスター、パニカム チョコラータなど。草丈が高く、穂がそよぐ姿は、メドウガーデンにはなくてはならない存在です。花と花を自然につなぐ役割を果たしてくれているように思います。

プロフィール

りんかさん

住まい
一戸建て
ガーデニング歴
6年
お気に入りの植物
バラ、クレマチス、宿根草
ホームページ
狭小の庭 〜心ときめく空間を夢見て〜

編集部より

住宅密集地で、日当たり、土壌条件など制約の多い場所ながら、植物にあふれた見どころいっぱいの空間を作り上げた、りんかさんのお庭です。小道やフェンス、パーゴラなどの設置や、きめ細かな工夫を重ね、心ときめく素敵な眺めに仕上がっていますね。玄関前のメドウガーデンも、草花が太陽に向かって立ち上がり、風にそよぐ姿がとても印象的でした。自然との関わりを大切にしているりんかさんの、アイデアとセンスがたくさん詰まったお庭作りを、これからも楽しみにしていますね。

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