最近、電気料金の値上げが話題になっています。値上げは気になるけれど、これ以上節電の方法が思いつかない…。電気を無駄にしないように気を付けているのに、なかなか節約できない…。そんな人は、もしかすると節電の方法を間違えているのかも!
今回の特集では、消費生活アドバイザーの山川文子さんに、上手に、かしこく、快適に節電する方法をお聞きしました。電気の使い方はもちろん、電気を使う環境や、電気製品そのものも、もう一度見直してみませんか?
この方にお聞きしました

雑誌のコラム執筆や講演などを通じて、生活者視点での暮らしの省エネを提案。2009年まで財団法人省エネルギーセンターに勤務。
著書に「環境にやさしいお買い物 あなたもできるお得なエコライフ「日記」」(日刊工業新聞社)他多数。
節電のポイントは、
「減らす」 「替える」 「ずらす」
@「減らす」誰もいない部屋の照明やエアコンを消す、エアコンの温度を控えめにするなどによって電気の消費を減らすこと。
A「替える」。白熱電球をLED電球に交換するなど、消費電力の少ないものに替えることです。どちらも電気代の節約になります。
B「ずらす」。電気がたくさん使われる時間帯(ピーク時間帯)を避けて家電製品を使うことです。 ピーク時間帯は、夏は平日の午後2時前後、冬は平日の午後6時頃。洗濯や掃除は朝のうちに済ませる、冬は料理の下ごしらえを夕方までに済ませるなどの方法があります。「ずらす」は、最近の電力供給不足への対策になり、また、夜間の電気代が安い料金メニューで契約しているご家庭は、タイマーを使うなどして夜間に洗濯機や食器洗い乾燥機などを使うようにすると電気代が安くなります。
この夏、賢く「ずらす」ならこの時間帯がベスト!

ここからは、お家の中でそれぞれのエリアごとの節電テクと、節約シミュレーションを紹介します。


リビングルームや寝室には、エアコンなどの冷暖房機器を始め、テレビ、DVDレコーダーなどの映像機器、照明器具、加湿器・除湿機などさまざまな家電製品があります。節電の基本は「使う時間を短くする」こと。不要な場所や時間に使っていないかチェックしてみましょう。また、部屋の温度が適正か、明るすぎないか、結局見ないテレビ番組を録画していないかなど「過剰に使用していないか」も見直してみましょう。
節電テク@
間接照明を上手に活用
リビングルームや寝室は、いつも天井の蛍光灯シーリングライトを点けて部屋全体を明るくしていませんか? 間接照明を上手に使うと、節電効果もあり、普段と違った落ち着いた空間を楽しむこともできます。 また、調光タイプのLEDシーリングライトを上手に使うと、節電効果がアップします。

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どのくらい節電できる?
リビングルームと寝室の蛍光灯シーリングライトの替わりにLED間接照明を点けると?

▼約14.3kWh/月の節電
▼約865円/月の節約
注)リビングルームの蛍光灯シーリングライトを114W、LED間接照明を5.2W×4灯、寝室の蛍光灯シーリングライトを114W、LED間接照明の消費電力を5.2W×2灯とし、リビングルーム、寝室の照明点灯時間をそれぞれ、4時間、1時間として試算。

節電テクA
エアコン使用時にはサーキュレーターがおすすめ
エアコンは、使用時間をなるべく短くする、温度設定を控えめにするだけでなく、室外機の前に物を置かないことやフィルターの掃除を定期的にすることも重要。また、暖かい空気は軽いため部屋の上の方に溜まり、冷たい空気は下の方に溜まります。そのため冷暖房中、部屋の上下に空気が溜まり温度差ができていることに気づかないと、設定温度を強くしすぎてしまうことも。サーキュレーターを使って部屋の空気を撹拌することで上下の温度差が解消できます。

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どのくらい節電できる?
エアコンとサーキュレーターを一緒に使い、エアコン冷房の設定温度を2℃上げると?

▼約5.4kWh/月の節電
▼約165円/月の節約
注)サーキュレーター(消費電力40W)を使用し、エアコン(2.2kW、外気温度31℃)の設定温度を2℃上げた場合。1日9時間使用。エアコンの節電効果は「家庭の省エネ大事典」一般財団法人省エネルギーセンターより計算
節電テクB
パソコン、テレビは画面調整だけで節電に
テレビは見ないときは消すのはもちろんですが、画面の明るさを抑えるだけで消費電力を減らすことができます。一度設定すれば継続して節電効果がありますので、是非試してみましょう。パソコンも画面が明るい方が消費電力は大きいので、同様に設定を変更しましょう。

どのくらい節電できる?
テレビの画面の明るさを抑えると?

▼約2.2kWh/月の節電
▼約67円/月の節約
注)液晶テレビ32V型の画面の輝度を「最大」から「中央」にし、1日4.5時間視聴する場合。「家庭の省エネ大事典」一般財団法人省エネルギーセンター より計算。


一日中、そして一年中働いている冷蔵庫は、家庭で1年間に使う電力量の中で最も多くの割合を占める機器です。実は扉を開けっぱなしにしないなどの使い方だけでなく、置き方や庫内の温度設定でも節電が可能。周囲に隙間を空けて置くようにし、また、庫内の物の冷え具合を見ながら、設定温度を夏は「中」に、それ以外の季節は「弱」を目安にしましょう。
そのほか、電子レンジ、電気ポット、炊飯器、電気オーブンなどキッチンにある家電製品は、製品によっては1,000W以上と消費電力が
大きいものが多いことを知っておくことも大事。電子レンジでの温めはまとめて行うなど、効率よい調理が節電に繋がります。
節電テクC
キッチンこそLEDに
主婦がキッチンにいる時間は意外と長いもの。その間に点けていることが多い照明を、消費電力の低いLEDに変えれば、ラクに節電ができます。

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どのくらい節電できる?
ダイニングキッチンの蛍光灯シーリングライトを、LEDシーリングライトに交換すると?


節電テクD
メニューによって調理法を見直そう
カレーや煮物は、保温調理がおすすめです。具材を加熱した後、コンロから鍋をおろし毛布などで包んでそのままにしておき、後は余熱で調理します。専用の保温調理鍋があれば、毛布などは不要です。炊飯器は、保温のときに使用している電気にも注意が必要。長時間の保温はせず、もう一度炊くか、電子レンジで温めましょう。

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どのくらい節電できる?
炊飯器で朝炊いたご飯を保温せず、食べるときに電子レンジで温めると?

▼約5.0kWh/月の節電
▼約154円/月の節約
注)朝1回炊いて12時間保温をした場合と、保温をせず電子レンジで温めた場合。 炊飯時の消費電力量を158.0Wh、保温1時間の消費電力量を16.50Wh、温めは、電子レンジ(消費電力1,000W)で2分間として計算 *炊飯時、保温時の消費電力量は、「省エネ性能カタログ2012年冬版」資源エネルギー庁、IH式5.5合以上8合未満の製品平均値。
節電テクE
お湯は沸かし方と保温方法に注意
電気ポットは、沸かすときだけでなく保温にも電気を使っています。長時間の保温は避け、使うときに再沸騰させましょう。保温機能がついていない電気ポットも、必要以上のお湯を沸かすのは電気の無駄使い。使う量だけ沸かすようにしましょう。
電気を使わない昔ながらの魔法瓶もあります。たとえば夏は、朝にお湯を沸かして魔法瓶に入れておき、日中はそれを飲むようにすれば、ピーク時間帯の節電ができます。

どのくらい節電できる?
長時間使用しない場合は、保温せずにプラグを抜き、使う時に再沸騰させると?

▼約8.8kWh/月の節電
▼約238円/月の節約
注)ポットに水2.2リットルを入れ沸騰させ1.2リットル使用後、6時間保温した場合と、プラグを抜き保温をせず、使う時に再沸騰させた場合の比較 *「家庭の省エネ大事典」一般財団法人省エネルギーセンター より計算


省エネタイプの電球には、電球形蛍光ランプやLED電球があります。電球形蛍光ランプは、入り切りのたびに寿命が短くなるので、玄関の照明のように頻繁に入り切りする場所ではLED電球がベター。LED電球は寿命が長いのも特徴なので、玄関のように高い場所にある電球なら、面倒な取り替えの手間も省けるので一石二鳥です。
節電テクF
玄関の内側、廊下などの照明を使い分け
夜トイレに起きた時のために、帰りが遅いパパのために、廊下や玄関ホールの照明を夜中点けたままにしている家庭もあるのでは?わずかな時間のために、夜中点けっぱなしにしているのはもったいない。センサー付きのLED照明なら、必要な時だけ自動で点灯し、自動で消灯してくれるので、付け忘れ防止にもなります。コンセントに差して足元部分を明るくするLED照明もあります。

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LED電球 人感センサー付- 人感センサー付きで人に反応して自動に点灯し、離れると自動で消灯するので、消し忘れが無く経済的。
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どのくらい節電できる?
玄関ホールと廊下の白熱電球を、センサー付きLED照明に交換すると?

▼約27.2kWh/月の節電
▼約837円/月の節約
注)玄関ホールの白熱電球(消費電力48W、点灯時間1日4時間とする)を、人感センサー付きLED電球(消費電力8.1W、待機電力0.1W、点灯時間1日10分とする)に交換、廊下2か所の白熱電球(消費電力36W、点灯時間1日10時間とする)をセンサー付きLED照明(消費電力3.6W、点灯時間1日12分とする)に交換する、として試算。
節電テクG
外の照明は人感センサーに
玄関ポーチの照明は、夜中点けていると、電気がムダになるだけでなく、電気代もかかります。人感センサー付きのLED照明にすれば、家族が帰ってきたときなど、人が近付くとパッと点灯し、その後離れれば自動で消灯するのでしっかり節電&節約ができます。

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どのくらい節電できる?
玄関ポーチの電球形蛍光ランプを、人感センサー付のLED照明に交換すると?

▼約4.5kWh/月の節電
▼約138円/月の節約
注)玄関ポーチの蛍光灯(消費電力15W、点灯時間1日10時間とする)を、人感センサー付きLED照明(消費電力3.6W、点灯時間1日3分)として計算。
節電テクH
防犯対策用のガーデンライトはソーラーパネルで
防犯対策のためガーデンライトを夜中点けているのは、やはり電気代が気になります。ソーラーパネル付きの充電できるLED照明なら、日中に太陽光で発電し、夜は昼間充電しておいた電気で点灯するので、おトクで環境にも優しい節電対策ができます。

どのくらい節電できる?
白熱灯のガーデンライトを、ソーラーパネル付きの 充電式LED照明に交換すると?

▼約28.2kWh/月の節電
▼約864円/月の節約
注)白熱灯のガーデンライト2灯の消費電力を47W、点灯時間1日10時間として試算。
@〜Hの節電テクをすべて行うと・・・

1カ月で約3,240円の節約に!
*電気代は1kWh当たり27円で計算(端数は四捨五入)
*1か月は30日で計算
*製品の使用回数や時間は、夫婦+子供1人の3人家族の場合を想定しました。 試算の前提となる家電製品や照明器具の消費電力や使用時間などは、それぞれの注書きに記載しています。
*節電効果の値は、製品、使用環境などによって異なります。目安としてご覧ください。

山川さんからの節電アドバイス

「冷蔵庫の庫内を整理するようになったら、買い過ぎて結局捨てていた食材が減った!」「掃除機を手早くかけられるように家の中を片付けるようになったら、家がいつもきれいで気持ちがよくなった!」…そんなうれしい"気づき"を経験したことはありませんか?
節電も同じです。電化製品の使い方を工夫したり、冷暖房機器になるべく頼らない暮らしを考えることは、夏の風の気持ちよさ、冬の陽だまりの暖かさなど、自然のありがたさを再確認することにもつながります。また、リビングルームで家族が一緒に過ごすことで、家族の会話が増える、といった暮らしの変化もあるでしょう。
このように、節電は、単なる電気代の節約だけではない、いろいろなメリット、発見があるのです。ぜひ、それらの変化や発見を楽しみながら、かしこく節電生活を続けていただきたいですね。