
下痢をおこす病気はたくさんあり、自然に治ってしまうものもあれば、数日で死に至るものまであり、その判断は難しいのですが、小動物は下痢をおこすとすぐに脱水症状をおこして状態が悪化してしまうので、あまり放置せずに、できるだけ早く原因を調べて治療を始めなくてはなりません。
フェレットに下痢をおこす病気
【胃潰瘍】
【胃腸内異物】
【流行性カタール性腸炎(ECE、グリーンウイルス)】
【胃潰瘍】
ヘリコバクターという細菌の感染によってひきおこされる病気で、発病したフェレットは、食欲不振、吐き気(泡を吹いたり、よだれが多くなり、口元を手で引っかくようなしぐさがみられます。)や典型的な黒色タール便を排泄し、体重が減少していきます。 ヘリコバクターは、健康なフェレットも高率で保有していて、ストレスや病気などで免疫力が低下した時に発病します。 ヘリコバクターの除菌と消化の良い流動食を与えて体力の回復に努めますが、高齢のフェレットで慢性化したものは体力低下や貧血などから大きな改善は期待できません。
【胃腸内異物】
フェレットほど胃腸内異物がみられる動物はありません。特に多いのが1歳未満の若いフェレットの腸閉塞です。 好奇心旺盛な彼らは、何でも口に入れてしまい、消化できないものが腸に詰まってしまいます。ゴムやスポンジのような弾力のある物が好きで、飲み込んでしまいます。 症状は詰まった物の大きさにもよりますが、小さいものでは、特に大きな症状はなくしだいに痩せていきます。人間の小指の先ほどの大きさの物になると完全閉塞をおこすため、少量の粘液便を何度も排泄し、背中を丸めて苦しがります。 3才以降のフェレットには胃内に毛球がみられることがあります。胃内に毛球がある場合は、嘔吐などの症状が現れる場合もありますが、ほとんどの場合は無症状なので見過ごされる場合が多いと思われます。特に症状がなくて、体重が少しずつ減る場合には毛球症の可能性があります。日常的なブラッシングが一番の予防です。市販の毛球予防剤も効果的です。 どちらも、発見次第、手術にて異物を取り除く必要があります。 手術後はほとんどの場合、みるみる体重が増えていきます。
【流行性カタール性腸炎(ECE、グリーンウイルス)】
ウイルスによる伝染性の腸炎で、明るい緑色の下痢便を排泄するので、グリーンウイルスとも呼ばれますが、必ずしも緑色の便ということはなく、また緑色の便が必ずしもこの病気というわけではありません。 原因のウイルスはまだ不明ですが、集団で発生していることから、感染性の強いウイルスだと推測されます。 原因不明の下痢がみられ、数日前に他のフェレットとの接触があったり、一緒に飼っているフェレットが次々に発病する場合はこの病気の可能性が高いといえます。 放置せずに、輸液や抗生物質等による治療を行えば死亡率はそれほど高くありませんが、多頭飼いの場合は、入念に掃除をしなくてはなりません。薄めた漂白剤などでケージを消毒するとよいでしょう。