【食器収納】食卓が幸せいっぱいになる!食器収納のコツ
料理は舌で味わい目で楽しむもの。でも、ふだんの食事では、レストランのように凝った料理は作れないのが現実です。そんなときこそ、器の力を借りて盛り付けに変化をつけると、いつもの食卓が華やいで見えます。ところが、いつも使う器はほぼ同じものばかり。あれこれ色々持っているのに、活用できていないのは残念です。今からしまい方を少しだけ調節して、素敵な食卓を演出しましょう。
1.出しれしやすく
背の高い食器棚は、たっぷりとしまうことができますが、実は出し入れしやすい範囲というのは限られています。特に、食器は欠けたり割れたりしやすいので、安全に取り出せる場所を中心に収納することが大切です。立った姿勢での目の高さから指先くらいまでの高さを目安に、その範囲によく使う食器を収納。出し入れする動作を最小限にして、器の出番を増やしましょう。
また、出し入れするときに手間が掛かると、その器を使う機会が減ってしまいます。お皿やお椀のように積み重ねのできる器の場合は、重ねすぎないように注意。器が傷みやすいだけではなく、取り出すのが厄介になると、下になっているものは使わなくなります。それを避けるには、いつも使う食器の種類と数を把握して、使う見込みのないものは思い切って処分。たまにしか使わないものは、別の場所にしまうようにします。
- ★今すぐできること
- ・滑り止めのシートを敷いて食器がずれないようにする
・大切な食器を重ねるときには、器同士の間に端切れや紙ナプキンを挟んで保護する
・棚板に引っ掛けて使うミニシェルフで、空いたスペースも活用する
・コの字型のラックを使って上下に分けて、重ねる器の数を調節する

ラックを加えると収納スペースが無駄なく使える
2.選びやすく
その日の料理に合わせて、盛り付けが楽しめる食器を選びたいものです。それには手持ちの器がひと目で分かるようにしまうことが肝心。どこに何があるかすぐ分かるように、種類別に整頓します。たとえば、和食器と洋食器、単色と柄入り、普段使いと来客用、盛り付け用と取り分け用といった具合に、使い方を想定して何と何を一緒にしまうかを決めます。
さらに、収納のスタイルに合わせてしまい方を調節します。奥行きのある棚に手前と奥の2列にしまう場合は、よく使うものを手前に収納。その際にカゴやトレイを使ってまとめておくと、奥にある器が取り出しやすくなります。小皿のような細かい食器も、カゴに入れて収納。引出しにしまうときにも、カゴかプラスチックケースで小鉢やカップをまとめておくと、選びやすくて出し入れにも便利です。
- ★今すぐできること
- ・食器を両手で扱えるように、棚板の間隔と隣同士の食器の間に隙間をあける
・カップとポットをカゴにまとめてティーセットをつくる
・毎朝使う食器の1人分を入れ物にセットして、準備をスムーズにする

カゴごと出し入れするだけなので、家族も手伝いやすい
3.使い方に合わせて
食器の多くはキッチンにしまってあることが多いのですが、ダイニングやリビングにあると便利なことがあります。たとえば、来客のときに使うもの、食卓でめいめいに取り分けるときのもの、ティータイムやドリンク用につかうものなど。すぐ取り出して使いたいときには、キッチンまで行かなくてもすむように、収納できる場所があると助かります。
一方、食器の形に合ったしまい方にもひと工夫。お皿はディッシュラックを使って、立てて収納するやり方にすると、場所を取りますが機能的で見た目にもきれいです。グラスやカップは重ねずに、同じものを縦1列に並べると、扱い方がていねいになって割れる心配がありません。ワイングラスは、市販のホルダーを棚板にセットしてワインバーのように吊り下げてもいいでしょう。

お皿とお皿の間に紙皿をはさんでクッション代わりに

棚板に挟んで使うタイプとネジ留めするタイプがある
- ★今すぐできること
-
・書類ボックスを使ってお皿を立てて収納する
・キッチンの吊戸棚にしまうときには、丈夫なプラスチックケースを使って種類別にしまう
・クリスマスや正月など使う時期が限られている器は、ボックスに入れて邪魔にならない場所にしまう
家具を上手に使って
キッチン以外の場所に食器をしまいたいときには、インテリアのことを考えた家具選びがポイントになります。食器棚以外にも、実用重視で組み立て式ラックを使う、調度品として帳場ダンスのような骨董家具を活用するといった選択肢もあります。本棚として使っていた家具を転用するのもいいアイディアです。また、お気に入りの食器やグラスなどは飾って楽しみたいとなれば、棚に並べて鑑賞できるようなガラス戸のある家具がいいでしょう。
食器専用の家具を使わないときには、カゴやミニラックを利用して、棚や引出しの使い勝手を調整します。箸やフォーク、スプーンといったカトラリーをしまうには、浅い引出し収納が最適。大きすぎる引出しの中には仕切り用のスリムケースを入れたり、棚であれば文具用の小引出しを置いて使ったりして、箸置きのような細かいものまできちんとしまえるようにします。
- ★今すぐできること
- ・大切にしすぎてしまったままになっている食器があれば、今日から普段用に使ってみる
・自慢の器はお店のように飾りながら、実用にも使えるように収納する
・扉のない収納では、食器に布を掛けたり、フタつきの箱に入れたりして埃を避ける

A4サイズの書類がしまえる引出しケースで、カトラリーやコースターを収納
食器がいつの間にか増えてしまうという人は多いと思います。ところが、わが家の献立にしっくりくる器というのは案外限られているものです。使う場面のない食器は手放すことを考える一方で、しまい方を変えて使いやすくしてみませんか。活用できる場面が増えるかもしれません。「今日はどの器にする?」そんな発想で、食卓のコーディネートを楽しみましょう。
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プロフィール
すはらひろこ (片づくおうちプランナー)
一級建築士、インテリアコーディネーター
株式会社アビタ・クエスト代表取締役
共働き経験をいかした収納術とおしゃれなインテリアで、雑誌のビフォアアフター企画でも活躍。 TV東京TVチャンピオン【お部屋リフォーム王】、TBS系「王様のブランチ」、NHK総合「あさイチ」ほかテレビ・ラジオ出演や講演、著書など多数。
総合情報サイト【オールアバウト】で収納ガイドを務め、連載記事は幅広い読者層に好評。
著書:『1分からはじめるかたづけ術』(だいわ文庫)
『朝、着る服に迷わないハッピー収納術』(大和書房)
ほか
