地震対策 〜家電のお手入れ 特別編〜

地震対策 〜家電のお手入れ 特別編〜。テレビや冷蔵庫など家電の地震対策を、電気屋さん歴24年のプロ・高野さんが解説します!

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目次

    皆さん 暑い中、お元気にお過ごしでしょうか。

    「プロ直伝!自分で出来る家電のお手入れ」をご覧のみなさん! 担当の高野です。

    さて今回は、"特別編"。テーマは、家電の地震対策です。

    昨年の東日本大震災から1年数ヶ月、が経ちました。

    褐明電機 高野 亨
    褐明電機 高野 亨

    当時、私のお店のある東京中野区でも震度5強、でした。
    社員の携帯への連絡は通じないし、家族の携帯も通じない、メールも届かない。思い起してみると本当に大変なことでした。

    お店の前もテレビでの情報を見る人々であふれていましたので、店頭のテレビの音量を大きくして、皆さんに情報を発信したりしていました。

    時間が経つにつれて当店社員全員が所属する消防団からの緊急招集などの指令もあり、 またお店に設置している緊急地震速報機の発令も度々あり、当日は朝方まで緊迫感の中で過ごしました。

    お店に設置している緊急地震速報機

    お店の方はというとビルの1階でしたので、特に被害はなかったのですが、お得意様のお宅ではテレビが倒れて破損したり、冷蔵庫が動いたり、洗濯機が倒れたりと様々な被害がありました。震度5強でこの状態でしたので、震度7といったらどんなことなのか、と想像に絶します。

    中でもお客様宅で気の毒だったのは、洗濯機は前側に倒れて給水ホースが破損してしまい、水が噴出して留守の間に洗面所が水浸しになってしまったという事例がありました。

    本来は洗濯機に繋がる水道の蛇口は、使用時以外は必ず閉めておかなければならないのですが、ついつい忘れてしまいがちですがお気をつけください。
    皆様、洗濯機を使用しない時には給水蛇口は必ず閉める癖をつけてくださいね。


    さて 前置きが長くなってしまいましたが、〜家電地震対策〜 本題に入りましょう。

    まずはテレビ

    今時の薄型テレビは、正直・・なんだかすぐに倒れそうですね。

    下記はあるメーカーさんのテレビの開発基準です


    テレビ開発段階で、震度5強〜震度6強を想定した地震試験を実施し、転倒しないことを確認し、
    設計〜商品化しております。とのことでした。


    でも考えてみれば以前のブラウン管方式の方が倒れにくいかもしれませんが、万が一下敷きにでもなった時は、ブラウン管は重さもありとても危険です。現在の薄型テレビの方が倒れやすいのではありますが、ブラウン管に比べれば軽量ですので、転倒の場合は多少の危険は軽減されるかもしれません。とはいっても倒れないようにしなければなりませんよね。

    倒れないようにするには壁掛けにする、ということも一つの対策ではありますが、
    壁掛け、はい、そうですか、と簡単にはいきません・・・(汗)工事も必要になりますね。

    そうなると基本は、テレビに付属されている転倒防止材で固定することが有効です。

    このような部材です。

    このような部材です。

    但し、この部材はネジで留める方式ですので、テレビを載せている台の材質にもよりますし、台が高価なものだったりネジが効かないものだったりすると固定できません。

    この部材はネジで留める方式です

    そこでお勧めしたいのが「転倒防止粘着マット」です。

    テレビのアングル台の下側に貼り付けると強力な粘着が発揮され、使用方法を間違えなければ相当な震度程度の地震の揺れも吸収してくれます。(マットによって荷重制限や、枚数、貼り付け位置などが決められておりますので、使用方法に従う必要があります)

    そこでお勧めしたいのが「転倒防止粘着マット」です。

    昔と違い、現在、テレビは各部屋にあるのが当たり前になっています。
    リビング、ダイニングテーブル、寝室、子供部屋・・・ もちろん全てのお部屋のテレビをすぐにでも対策していただきたいのですが、費用もそれなりに掛かりますし手間もそれなりに掛かります。

    優先順位はどこの部屋からやれば良いのか、と考えてしまうと思います。

    恐らくはリビングの大型テレビと考える方が多いと思いますが、でも意外なお部屋から手をつけていただくのがよろしいかと思います。

    地震などは、いつ起こるかわかりません。とっさの対応ができない就寝中に地震が発生しテレビなんかが倒れてきたら・・・です。
    もちろんお家の全テレビを固定するのが最も有効ですが、様々な事情がある場合は、寝室からの対策をしてみてはいかがでしょうか。

    そして順々に他のお部屋も対策を広げていく、はいかがでしょうか。

    もちろん全部一気に!が最良ですけどね〜。


    独立行政法人国民生活センターという国の機関による、とても興味深い資料がありました。
    平成24年3月15日報道発表の資料です。

    各インチでテストしていますが代表的な42V型の薄型テレビで振動実験を表記します。
    これによりますと・・・

    震度6弱
    ・何も対策なし→ 転倒  (でしょうね・・)
    ・台に固定→ 大きな揺れ ("揺れ"でなく大きな、と表記があります)
    ・粘着マット→ 揺れ 落下せず (大きな、の表記がなく ただの "揺れ"です)

    震度6強
    ・何も対策なし→ テストせず (震度6弱で落下しているので)
    ・台に固定→ 台の前方に落下 (落下してしまいました)
    ・粘着マット→ 揺れ 落下せず(ここでも大きな、の表記なく・・落下もせず・・)




    正直、驚きました、台に固定するより粘着マットが効果大なのです。
    しかも50型Vに関してのテストでは驚くべき結果が・・

    震度6強では 
    ・台に固定の場合、50V型はモニター部が重いのでスタンドが折れて破損し落下。
    ・粘着マットの場合、スタンド付近が損傷するものの落下はしない。

    との結果でした。

    おそらく台に固定したベルトなどに比べると
    粘着マットの場合はある程度の柔軟性が生まれ、良い効果になっているのかもしれませんね。  

    恐るべし粘着マットです。

    台の固定より優れているなんて・・・びっくりです。

    サンプルでテストしてみました


    早速、サンプルでテストしてみました。

    貼りました。


    貼りました。

    手でグラグラしてみました。


    手でグラグラしてみました。

    柔軟性のある固定感です。


    柔軟性のある固定感です。

    いやぁー これはお世辞抜きにスゴイ粘着です。

    50V型の台が破損してしまう位なのもうなずけます。

    次は冷蔵庫

    これは大変な重さがあります。食品が入っている状態では物にもよりますが全体の重量は100kg超えます。

    食品を取り出したりしてる時に地震が発生し万が一倒れてきたりしてたら・・・・ 
    100kg超え、これはテレビの比ではありませんね。冷蔵庫の地震対策はとてもとても重要です。
    でも、たいそうな事をしなくてもちょっとした対策で大きな効果が生まれます。

    さて、家電メーカーからは「冷蔵庫転倒防止ベルト」という専用部材も出ています、これは冷蔵庫の背面の設置用グリップにベルトを巻き壁にネジで固定するという構造です。

    これはこれで大変有効だと思いますが、慣れてないと壁に取り付けたりするのが困難、またある程度の壁側の強度が必要、となってしまいます。

    冷蔵庫転倒防止ベルト

    そこでもっとお手軽にどなたでもできる対策は? 

    はい、ありました。

    その名は〜〜 家具転倒防止収縮棒 〜〜!!!

    家具転倒防止収縮棒

    棒っつてもそんじょそこらの棒ではありませんよ。
    転倒防止っ!   し、しかも収縮っ!

    い、色はホワイト! か ブラウン!

    です。

    なんで興奮してるのか、よくわかりませんが!?
    なにやらスゴイ棒みたいなんですっ。

    家具転倒防止収縮棒

    この画像を見ると効果絶大なのがひしひしと伝わりますネ。

    ネーミングでは"家具〜"となっていますが、言うなれば冷蔵庫も家具みたいなもの、
    使用して問題はない、でしょう。

    では、取り付けしてみましょう〜

    • (1)取り外し方法を確認

      取り外し方法を確認
    • (2)方法に従って外します。

      方法に従って外します。
    • (3)外れました。

      外れました。
    • (4)ささっと

      取り外し方法を確認
    • (5)ネジで固定します。

      ネジで固定します。
    • (6)つっぱりを調整します。

      つっぱりを調整します。
    はい、簡単です


    はい、簡単です。

    商品説明を見ると、"H型構造とジャッキ方式"

    これもなんだかとても効きそうな感じです。


    また設置面はラバー加工してありますので
    冷蔵庫天板や家具本体、また天井側も傷をつけることもありませんので賃貸にお住まいの方にも安心ですね。

    その他 家電用ではありませんが、地震対策グッズは・・

    書き出しでも少し触れましたが、まずは、地震が起こる前からの対策は、"緊急地震速報機"

    携帯電話でも速報を出してくれますが、設定していなかったり、電池が切れていたり
    してると役に立ちませんね。 緊急告知音も限界があります。

    緊急地震速報機でしたら、コンセントから常時電源ONで常時警戒してくれてますので
    私も、自宅寝室とお店の事務所に設置しています。

    また自宅が小学校の近くにありますので地震感知の時は


    ● 緊急地震速報機が鳴る
    ● 区の防災緊急無線が小学校屋上のスピーカーからも発報
    ● 携帯の緊急地震速報が鳴る


    3つがほぼ同時に鳴り出しますが、
    夜中だったりすると携帯電話は暗闇の中はなかなか探せない、学校の放送は合成音なので少々聞き取りにくい、ですが、緊急地震速報機だけはとても頼りになります。

    音も大きく設定出来るし、自動放送で、地震発生地区、警戒しなければならない地区を即時放送してくれます。 

    テレビを点けての確認も出来ますが、万が一の時は1秒2秒を争いますので、とりあえず飛び起きて速報機の放送内容を耳で確認しながら次の行動に移ることが出来ます。

    昨年の3.11からの数日間は夜中も度々発報し、
    正直寝不足になり、電源切ろうか、と思ったこともありましたが・・・(汗)

    でも今では私の中で"買ってよかった商品"、のベスト3に入ってます。

    本当に頼りになります。 

    その他にも窓や、食器棚のガラスの飛散防止フィルム。
    ガラスが飛び散り避難経路が阻害されてしまっては、避難時の通路確保が出来ません。
    ですからガラスの飛散防止は意外と重要です。 

    せめて避難経路付近だけにでも貼っていただきたいものです。
    これも貼るだけの簡単なものですが効果は絶大ですよ〜。

    今回は 地震対策 〜家電のお手入れ 特別編〜  でした。

    テレビ、冷蔵庫以外にもまだまだ家電はございますが今回はココまでです。
    また機会があればパート2も、やりたいと思います。
    今すぐにでも起こってもおかしくない震災に対しては、心構えも大切ですが十分な備えと対策はもっと重要です。 

    〜備えあれば憂いなし〜 

    なんだか古臭い言葉ではありますが、好きな言葉です。
    地震国である日本で生活していくには脈々と受け継がれたこの言葉を忘れないように、備えなければいけないですね。

    今回も最後までお読みいただきありがとうございます。


    はいそれでは。次回のテーマはというと・・・・


    昔、流行りましたね、こんな言葉遊び(小学生の時?)(小学生時代を過ごした練馬区だけかな?)

    俺が、友達のI田君に・・


    俺: ケンタッキーって10回言ってみて?

    I田君:  え?いいよ?
     ケンタッキー、ケンタッキー、ケンタッキー、ケンタッキー、ケンタッキー、
     ケンタッキー、ケンタッキー、ケンタッキー、ケンタッキー、ケンタッキー

    すかさず間髪入れずに俺は

    俺: さて問題!! 洋服を乾かす機械はっ???

    I田君: そりゃ 洗濯機!だろ?
     たーぼー は 僕が間違えて洗濯機をケンタッキーって言わせて笑おうと思ったんだろー?

    俺: ぶっぶぅっー "洗濯機" 不正解!!   だっせぇーーー

    I田君: え?何で?

    俺: 服を"乾かす"だから "乾燥機"だもんねー やーいやーい
    間違えてやんの〜 あーりゃりゃ、こーりゃりゃ!

    I田君: むかつくなあー  じゃあ、今度は たーぼーが エレベストって10回言ってみて・・・・・・・



    ・ ・・・・おバカですね(笑)

    テレビゲームも、携帯電話もない時代、こんなことばかりしてました。

    ちなみに当時のあだ名が "たーぼー" その前のあだ名は"マーガレット高野くん"でしたので"たーぼー"に変わっていって嬉しかったのを今ここで、思い出しました(笑)

    道端のマーガレットを触ってたのを友達に目撃されて、即その日からもう"マーガレット高野くん"だもんなぁ、なんだかなぁ・・ 

    うーん"チューリップ高野くん"の方がまだマシだなぁ、あーあ、チューリップを触れば良かった。

    え?あだ名ネタが長い?

    もう飽きた?はよ巻け?

    すみません〜! 終わります!

    今回紹介した商品はこちら

    防災対策特集

    家電のプロ・高野亨さん プロフィール

    高野 亨(たかの とおる) 
    株式会社光明電機 代表取締役社長

    ■保有資格
    第二種電気工事士
    医療機器の販売賃貸管理者
    ガス可とう管接続工事監督者
    電話工事担任者アナログ第二種
    ■趣味
    愛犬と散歩、居酒屋探訪、車

    東京都中野区野方で創業50年の家業である家電販売店を継ぐ。この道一筋、電気屋さん歴24年以上。
    エアコン工事、アンテナ工事、力仕事、トイレ掃除、テレビ出演等なんでもこなし、頼まれれば嫌や、と言えない昭和40年生まれの49歳。

    2011年10月〜2012月3月までBSジャパン番組「家電の学校」内コーナー「家電訪問」にレギュラー出演。
    初代案内人を務め大人気コーナーに育てあげる。
    他 新聞、雑誌 メディア取材多数

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