アドバイスをしてくれたのはこの方
山根康子さん

浅倉ユキ認定・ゆるベジ料理講師。
お弁当ブロガー
フリーランス翻訳者として活動しながら、長男の幼稚園入園を機に簡単ヘルシー弁当をテーマにした写真ブログをスタート。肉、魚、卵、乳製品、砂糖、みりん、酒、だしを一切使わないゆるベジを取り入れた健康的なお弁当が大人気に。
現在、「ゆるベジランチボックス」のプロデュース&調理を担当(予約制)。
山根さんのブログはこちら>>
「ヒロタン&オトタンのお弁当」http://obentomama.exblog.jp/
「やまねえのゆるベジランチボックス」http://ameblo.jp/yuruvege-lunchbox/

朝の短い時間で作らなければならないお弁当は、1品を作る時間との勝負。 手際よく、バリエーション豊かなお弁当を作るコツを伝授します。誰でもダンドリ上手になれるアイデアが満載!

お弁当ビギナーでも楽しく手軽に作れるお弁当を紹介。むずかしいテクニック抜きで、アレンジ自在のお役立ちレシピです!
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お弁当を15分で完成させるには、ダンドリが肝心。忙しい朝は時間との勝負なので、手順をおさえてスピードアップを目指しましょう。 ここでは手早く、簡単に、おいしく作るアイディアを紹介します。
1.前日にできることはやっておく
前日の下ごしらえは大事です。といっても手間のかかる仕込みをするのではなく、次の日に作業がしやすいよう、ちょっとした工夫をするだけ。これだけで翌朝悩まずにすぐに料理ができるので、気持ちに余裕ができますよ。
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■出しておく
朝使いそうなものは出しておく。メニューごとにそれぞれ使用する調味料や食材を、一つのお皿の上に置いておくとわかりやすい。要冷蔵のものはメモを置いておくと使い忘れ防止に。
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■計っておく
余裕があれば、食材や調味料を、使う分だけ切っておく、計っておくとさらに翌朝の作業がスムーズに。
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■作っておく
おにぎり用の海苔を切ったり、野菜を茹でておいたり、夕食作りのついでにお弁当用の簡単な下ごしらえをしておくと、朝の調理時間がぐっと短縮できます。海苔の顔パーツなども、できれば前日に作り保存容器へ。
2.ストック食材を有効活用
保存食品を上手に使いましょう。時短になるだけでなく、味や盛りつけのバリエーションが広がります。前日に買い忘れたときなど、いざというときにも役立ちますよ。
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■冷蔵のストック
昆布やじゃこ、茹でた野菜など、すぐに使えるものを常備。餃子の皮や焼売の皮は、肉だけでなく、蒸し野菜やチーズを巻いたりと用途が多彩。火が通りやすい食材や加工品を選ぶのがスピードの決め手です。
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■常温のストック
あられやゴマ、色彩のきれいなふりかけなどは、トッピングにもなり、それだけで味つけができるのでお弁当にもってこい!
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■冷凍のストック
夕ご飯で余ったおかずは冷凍してストックしておくと、いざというときに助かります。余りご飯もおにぎりにして冷凍庫へ。ご飯を炊き忘れた朝などに、レンジで温めれば一品完成!生姜はすりおろしたら平らにして冷凍。凍ったら、使いやすい大きさに割って保存容器へ。
3.ご飯の詰め方でバリエーションを変える
お弁当がマンネリ化してしまう人は、ご飯の詰め方を変えてみましょう。つい片側半分にご飯をつめがちですが、斜めにしたり、真ん中に詰めたりと、ほんの少し動きを出すだけで、いつものおかずも見栄えがよくなりますよ。
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■横長に
ごはんを横長に詰めるだけで、かわいらしく見えます。
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■斜めに
斜めにご飯を入れると、バランスがとりやすく、おかずをただ並べるだけでも華やかに。
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■握る、散らす
おにぎりを一方に寄せてしまわず、「仕切り」のように使うと動きと変化がでます。
4.使いやすい調理器具を使う
道具次第で作業効率は格段に上がります。洗いやすい、火が通りやすいなど、調理しやすい道具を選びましょう。また、鍋や電子レンジやオーブントースターなど、調理器具を効率よく使い、調理法を工夫すれば一度に2〜3品作ることもできます。大きめのフライパンにおかずを2〜3品ならべて一気に炒める方法もおすすめ。
焦げ付きにくいフライパンは、さっと洗えるので1台で使い回せます。取っ手が外れるタイプのフライパンは、狭いシンクの中でも楽にキレイに洗えるので◎。

5.うま味のある食材や調味料を活用する
多くの調味料を使おうとすると、出して、計って、片づけてと意外に面倒。初めから味のついている食材や、うま味のある素材をフルに使って味付けをするようにしてみましょう。少ない調味料で簡単に味が決まり、見た目も変化に富んだおかずができますよ。
わかめ、トマトなどは、素材からうま味がでるので、野菜と一緒に炒めたり煮たりするだけでおいしくできます。塩麹もそれだけで味がきまるので便利。のりやこんぶ、チーズの塩分や香りも味付けとして活用できます。

6.作り置きおかずを使い回す
味付けしたおかずはいろいろ使い回せるので便利。混ぜご飯や焼うどん、卵焼きに混ぜたり、チーズなどと合わせてホットサンドや餃子の具にするものお勧め。 写真は左から「かぶの葉とじゃこのふりかけ」「わかめのキンピラ」「鳥ごぼうそぼろ」。 簡単にできるので作り方をご紹介!

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◆「かぶの葉とじゃこのふりかけ」の作り方
1.フライパンに油(小さじ1)を中火で熱し、ちりめんじゃこ(大さじ2)を入れて弱火で1分ほどカリっとするまで炒める。
2.1にかぶの葉(1/2カップ)を加え、中火で2〜3分くらい水分を飛ばしながら炒める。
3. 火を止めて塩(1〜2つまみ)と白ごま(大さじ1)を加えて混ぜる。 -
◆「わかめのキンピラ」の作り方
1. 塩蔵わかめ(約1/3カップ)は水でサッと洗い、多めの水に5分ほどつけて戻す。ざるに上げて水を切り、小さめのざく切りにする。
2. フライパンにごま油(少々)を中火で熱し、1を1分ほど色が鮮やかになるまで炒める。
3. 2にみりん(大さじ1)を加えさらに炒め、水分がほぼなくなったら火を止める。
※塩蔵わかめの塩分を利用するので調味料はみりんだけ!お好みでしょうゆを少々加えてもOK -
◆「鳥ごぼうそぼろ」の作り方
1.フライパンに油(大さじ1)を中火で熱し、みじん切りにしたごぼう(100g)を2〜3分炒める。
2. 1に鳥ひき肉(100g)を加え中火で2〜3分炒める。肉の色が変わったら水(1/2カップ)を加えて強めの中火にし、煮立ったら中火にして水分を飛ばしながらさらに炒める。
3. 2の水分がなくなったらしょうゆ(大さじ1)を加えて30秒ほど炒めて火を止める。
おすすめアイテム

前日の仕込みと朝のレンジ使いでスピードUP! ナッツやプルーンで、鉄分&ビタミンもしっかりとれる身体にやさしいバランス弁当。

材料
- ●黒豆ごはん
- 白米:1合
- 乾燥黒豆:大さじ1と1/2
- ●かぼトマサラダ
- 冷凍かぼちゃ:2〜3切れ
(50g程度) - トマト:1/4個(ざく切り)
- しょうゆ:小さじ1/4〜1/2
(お好みで調整) - ●プルーンの番茶煮
- ドライプルーン:適量
- 番茶(二番茶でOK):適量
- ●ささみの塩麹漬けと野菜のレンジ蒸し
- ★鶏ささみ:1本
- ★塩麹:小さじ1弱
- きゃべつ:小さめの葉1枚
(ざく切り) - にんじん:1cm×3cmの薄切りを4枚程度
- しめじ:30g
- ●れんこんのきんぴら
- 油:小さじ1
- れんこん:60g
- 塩:1つまみ
- 青海苔:適量
- ●ナッツのデザート
- アーモンドやカシューナッツなどお好みで
≪前日にしておくこと≫
- 白米に乾燥黒豆を加え、普通の水加減に大さじ1と1/2の水を加えて炊飯器の予約タイマーをセット。
- ★の鶏ささみと塩麹をポリ袋などに入れ、軽くもみ込んでから冷蔵庫で一晩おく。
- ドライプルーンを鍋に入れ、番茶をひたひたまで注ぎ、弱めの中火〜弱火で15分程度柔らかくなるまで煮る。
≪作り方≫
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1)ご飯を盛る
前日にセットしておいたご飯が炊けたら、お弁当箱に詰める。お好みでごま塩をふってもOK。
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2)ささみと野菜をレンジでチン!
耐熱容器に、きゃべつのざく切り、にんじんの薄切り、石づきをとり、ほぐしたしめじ、前日に仕込んだ★塩麹漬けの鶏ささみの順に入れ、ふんわりとラップをかけて600wの電子レンジで2分加熱する。 電子レンジから取り出したら全体をざっくり混ぜて味をなじませる。
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3)かぼトマサラダを作る
耐熱容器に冷凍かぼちゃを入れ、ふんわりラップをかけて600wの電子レンジで1分加熱。いったん取り出して、ざく切りのトマトを加え、さらに30秒加熱。柔らかくなったら、スプーンなどで潰しながら混ぜる。 ※生のかぼちゃを使う場合はざっと水で洗い、軽く水気を切った状態で耐熱容器に入れて、加熱時間を長めにする(4分程度)。
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4)れんこんを炒める
れんこんを2mmくらいの薄切りにする。フライパンに油を熱したら、弱めの中火で3分ほど炒める。
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5)れんこんに海苔をまぶす
両面に焼き目がついて全体に透明感が出てきたら塩を加え、ひと混ぜして火をとめ、青海苔をふりかける。
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6)盛り付ける
お弁当箱におかずを盛り付ける。最後に前日に作ったプルーンの番茶煮とナッツを添える。
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れんこんを炒めるときは混ぜすぎないのが火の通りを早くするコツ。
焼き目がついてきたら箸で裏返す程度でOKです。ご飯やおかずの仕切りに、しその葉やレタスなどを使うと、緑が映えて全体がぐっと引き締まりますよ。プルーンは甘みがおかずに混ざらないように、汁気を切ってカップなどに入れましょう。
レンジOKの保存容器をお弁当箱替りに使えば、食べる直前にお弁当箱ごと温めて食べられるのでおすすめです。
おすすめアイテム

簡単なのに見栄えがして満足度も高い、まさにお弁当ビギナーにおすすめのどんぶりレシピ。ひとつのフライパンを上手に使いまわせば、洗いものも調理時間も削減できます!

材料
- ●卵そぼろの混ぜご飯
- 五分づき米(白米でも可):適量
- 卵:1個
- ★水: 大さじ1
- ★塩:1つまみ
(または塩麹小さじ1/2) - ★油:大さじ1
- ★黒ゴマ:適量
(盛り付け後にトッピング)
- ●お揚げのトマト入り
しょうが焼き - ※しょうゆ:小さじ1/2
- ※味噌 小さじ:1/2
- ※おろし生姜:小さじ1/2 (約2g)
- 油:大さじ1
- 油揚げ:1.5枚(1/4に切る)
- トマト:1/2個(1cmのスライス)
- 玉ねぎ:1/4個 (5mmのスライス)
≪前日にしておくこと≫
- 五分づき米を洗い、普通の水加減で炊飯器の予約タイマーをセット。
- ※を計量してひとつの容器に入れておく。
≪作り方≫
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1)材料を切る
油揚げを3等分に切る。前日にセットしたご飯が炊けたら、大きめのボウルか丼に取り分けておく。
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2)そぼろを作る
卵を溶き★を加えて混ぜる。フライパンに油を熱し、卵を流し入れ、菜箸を4〜5本使い、手早く混ぜる。全体がそぼろ状になったら火を止める。
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3)ご飯にそぼろをまぜる
2.を1に入れてしゃもじで混ぜ、お弁当箱に詰める。お弁当箱の半分くらいから徐々に薄くなるように盛り付けすると、おかずがのせやすくなります。
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4)フライパンを洗う
2で使ったフライパンをさっと洗い、ふきんで水気を取り、油を入れて熱する。
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5)3品を同時に炒める
フライパンに油揚げ、玉ねぎ、トマトを並べ、別々に炒める。油揚げは両面をこんがりと焼き色がつくまで焼く。トマト、玉ねぎはそれぞれ焦げ付かない程度に混ぜながら炒める。
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6)味付けをして、盛り付ける
柔らかくなったトマトの上に※を入れて混ぜてから、全体を一気に混ぜ合わせて火を止めて皿にとり、粗熱がとれてから盛り付ける。お弁当に盛り付けるときのコツは、お揚げの半分(3枚)は広げたまま並べ、残りの3枚を軽く丸めるようにして立体的に盛りつけます。その後、トマトや玉ねぎをバランスよく散らして完成。ご飯に黒ゴマを散らすと、味も見た目も引き締まります。
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そぼろはご飯に混ぜ込んでしまうのでそぼろの大きさがバラバラでもOK。
お弁当づくりを続けるコツは、がんばりすぎないこと。おかずも無理して作りすぎず、「丼ものならおかず1品でもよい!」と考える潔さも必要です。また、あらかじめ火が通っている食材や火が通りやすい素材を使うと時短になりますよ。
今回もお肉ではなく火の通りやすいお揚げを使ってみました。
おすすめアイテム

たまには子どもが喜ぶデコ弁を作ってあげたい!
でも手間のかかる作業は苦手だし…。そんなママにおすすめのお弁当を教えていただきました。
素材を上手に活かして、パパッとかわいいお弁当が作れて子どももママも大満足です!

材料
- ●おにぎり三兄弟
- ご飯:適量
- お好みの具:適宜
- 海苔:適宜
- ●チーズと海苔の卵焼き
- 卵1個
- ★水 大さじ1
- ★塩:1つまみ(または塩麹小さじ1/2)
- スライスチーズ1枚
- 海苔:スライスチーズと同じサイズに切ったもの1枚
- 油:大さじ1/2
- ●はちみつ大学芋
- さつまいも:3cm(1cm角の棒切りにする)
- 塩:少々
- はちみつ:小さじ1/2
- 黒ゴマ:適量
- 揚げ油:適量
- ●オクラの焼き春巻き
- オクラ:2本
- 塩:少々
- しゅうまいの皮:4枚
- ●生ニンジンの味噌海苔巻き
- 海苔:縦6等分を長さ半分に切ったもの3枚
- 味噌:小さじ1/2くらい
- にんじん:7mm角×3cmのもの3本
≪前日にしておくこと≫
- お米に雑穀ミックスを加えて炊飯器の予約タイマーをセット。
- 海苔パンチで顔パーツを作る。
- オクラを、塩少々を加えた熱湯で約1分茹でる。
≪作り方≫
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1)さつまいもを揚げる
フライパンに揚げ油を入れ、中温まで温めたらさつまいもを入れて1分ほど揚げる。お皿に取り、塩少々を振ってからはちみつをまぶすようにかけ、黒ゴマをふる。
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2)オクラを巻く
オクラを縦半分に切り、しゅうまいの皮の端(手前)に置く。全体に塩をふってから巻く。
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3)卵と春巻きを同時に焼く
ボールに卵を入れて溶き★を加えて混ぜる。フライパンに油を熱し、卵液を流し入れる。箸で軽くかきまぜ空気を入れるようにしながら15cm四方に形を整える。卵焼きと同じフライパンに2を並べる(巻き終わりを下にする)。卵がまだ半熟のうちにチーズをのせる。
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4)卵液に海苔をのせて巻く
10秒ほどしてチーズが溶けて柔らかくなったら海苔をのせて、箸かフライ返しで卵を端から巻いてく(3つ折になればOK)。オクラは、片面に焼き色がついたら裏返し、両面をこんがり焼く。
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5)にんじんを海苔で巻く
炊けたご飯を茶碗などに取り分け、粗熱を取る。その間に、海苔に味噌を4分の1量ずつ塗り、にんじんをのせて巻く。
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6)おにぎりを作る
お好みの具を入れて丸いおにぎりを3つ握り、周囲を海苔で巻く。先を少しぬらした竹串などを使って海苔の顔パーツをのせる。お弁当箱に盛り付ける。
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卵焼きは、チーズの塩分、海苔の風味が効いているので味付けは控えめに。チーズを卵の上にのせて、少し溶かしてから海苔をのせると巻きやすくなります。おにぎりはお弁当につめてから、顔のパーツをつけた方がかわいく仕上がりますよ。
お弁当づくりはレシピのバリエーションで悩んでしまう人も多いと思いますが冷蔵庫にあるものや昨晩のおかずの残りものでも、盛り付けやトッピングなどの工夫でバリエーションは簡単に広がります。お小遣いを節約できる上にヘルシーで体にも心にも嬉しいお弁当ライフ!段取り次第で、忙しい朝でも楽しく素早く作れるようになりますので、
ぜひチャレンジしてみてくださいね。