
どの家庭にも必ず1台はあるフライパン。
もっと上手に、もっと便利に使いこなしたいと思いませんか?
そこで今回は、仙台の人気イタリア料理店「アッラ・グリッリア」のオーナーシェフ・脇田浩明さんが、プロならではのフライパン料理を伝授!
フライパンを使いこなすための裏ワザを交えながら、家庭でも簡単にできる本格的イタリアンレシピをご紹介してくれました。
フライパンを使いこなせばイタリアンはぐっと身近に楽しくなる!
フライパンはイタリア料理には欠かせない調理器具です。でも、フライパンって焼いたり炒めたりする料理にしか使えないと思っている人も多いのでは? 実はフライパンは「焼く」「炒める」はもちろん、「煮る」「蒸す」「揚げる」「茹でる」までこなせる、言わば万能調理器具。1台あればほとんどの料理が作れてしまうというスグレモノなんです。今回ご紹介するのは、お店でも不定期でお出ししている人気の3品。フライパンで簡単に作れるメニューですので、ぜひご家庭でお試しください。

仙台を代表する新進気鋭のイタリアンシェフ。2001年、仙台市青葉区に、旬の素材を使った料理とイタリア産ワインを提供するイタリア料理店『アッラ・グリッリア』をオープン。テレビ番組の料理コーナーをはじめ、雑誌やイベントなどへの出演も多数。確かな技とセンスに加え、その甘いルックスでも人気を集めている。
アッラ・グリッリア
宮城県仙台市青葉区国分町3-9-2 第5佐々木ビルB1F
TEL022-726-4888
脇田シェフのブログ:http://yaplog.jp/allagriglia/
フライパンひとつで本格イタリアンが家庭で楽しめる!
ヘルシーで彩りも美しい ワインにぴったりのアンティパスト
ホタテとお野菜のグリル バルサミコソース

家庭にある身近な野菜とホタテを使った、簡単&ヘルシーな前菜。ホタテは殻つき、刺身用、どちらでも可。殻つきの場合は、手でかるく叩いたときにすぐにパシッと殻が閉じるものが新鮮な証拠です。ソースにはイタリア料理には欠かせないバルサミコ酢を使用。エクストラバージンオリーブオイルと合わせて作るコクのあるソースが、素材のおいしさを引き立てます。
材料(1〜2人分)
ホタテ貝柱 … 2個
パプリカ … 赤・黄1/2個ずつ
ブロッコリー … 2房
アスパラ … 2本
強力粉 … 適量
塩・胡椒 … 適量
エクストラバージンオリーブオイル … 大さじ2
バルサミコ酢 … 大さじ4
イタリアンパセリ … 適量
つくり方
野菜は食べやすい大きさにカットし、下茹でしておく
ココがプロの技
アスパラの皮はピーラーで縦に2〜3ヶ所削ぎ目を入れておくと、食感がよくなる

ホタテに軽めに塩・胡椒をして、強力粉をまぶす
ココがプロの技
グルテンの強い強力粉を使うことで、ソースにコクととろみがつく

フライパンにオリーブオイルを入れ、中弱火で野菜をグリルし、皿に盛りつける
ココがプロの技
お皿は食材の彩りが映える白無地がベスト!
![[2]のホタテを入れ焼き目がつくまで両面をグリル](https://www.irisplaza.co.jp/IMAGE/media/kurashi/kitchen/special/20120502/img/img08.jpg)
野菜をグリルしたフライパンを洗わずに、エクストラバージンオリーブオイルを足して再び火にかける。
のホタテを入れ焼き目がつくまで両面をグリルし、野菜の上に盛り付ける
ココがプロの技
ピュアオリーブオイルを使用してもOKだが、ピュアオリーブオイルと、エクストラバージンを2本買って使い分けるよりも、エクストラバージンオリーブオイル1本を使い回すのがおすすめ。なぜならオリーブオイルは鮮度が命。早めに使い切ることが味を落とさないコツ

のフライパンにバルサミコ酢を入れ、トロッとするまでへらでかき混ぜながら煮詰める。できあがったソースを回しかけ、イタリアンパセリを飾って完成
ココがプロの技
フライパン1台を洗わず使い回して全行程を行える料理。洗う手間が省けるだけでなく、フライパンに残った食材の旨みまで余すことなくソースに生かすことができ、一石二鳥!


ここがPOINT!
フライパン料理は火加減が命!
バルサミコソースはとろとろに煮詰めると甘みが出て一層おいしくなります。煮詰める際には焦げ付かないように注意を。コツは、温度調整の際、コンロのつまみで火の強弱をつけるのではなく、フライパンを上下させて火加減を調節すること。そうすると、手早くソースを混ぜる作業が行えますよ。
麺に絡むオイルソースが美味!7分でできる絶品パスタ
ボンゴレ・ビアンコ・スパゲティ

イタリア料理では定番のパスタで、「ボンゴレ」はアサリ、「ビアンコ」は白いという意味。アサリから出るダシを白ワインで煮詰めオイルと絡めた、シンプルながらもコクのあるソースが絶品です。今回はソースになじみやすい太さ1.7oのスパゲティを使用しますが、太さはお好みでどうぞ。ソース作りのポイントを押さえて、家庭でお店の味を再現しましょう!
材料(1人分)
スパゲティ…80g
アサリ(砂抜き済)…15〜20個
ニンニク…1片
鷹の爪…1本
白ワイン…少々
エクストラバージンオリーブオイル…大さじ3
塩…適量
イタリアンパセリ…3〜4本
水…少々
つくり方

ニンニクはつぶし、イタリアンパセリはみじん切りにしておく
ココがプロの技
ニンニクは丸のままではなく、包丁の腹でつぶして使う。こうするとより香りを引き出すことができる!

鍋でお湯を沸かし、お湯に対して約1%の分量の塩を入れる。沸騰したらスパゲティを茹で始める。フライパンにオリーブオイルを入れ、叩き潰したニンニクを入れてから火をつける。ゆっくり加熱して、ニンニクの香り、旨みをオイルに移す
ココがプロの技
ニンニクは炒めるのではなく、オイルにニンニクの香りを移すイメージで。フライパンを斜めにゆっくり回してオイルにニンニクの香りを均一に行き渡らせよう!
![[2]のフライパンにアサリ、白ワイン、鷹の爪、水(少々)を入れて蓋をする](https://www.irisplaza.co.jp/IMAGE/media/kurashi/kitchen/special/20120502/img/img15.jpg)
のフライパンにアサリ、白ワイン、鷹の爪、水(少々)を入れて蓋をする。アサリの口が開いたら、アサリだけを別の皿に取り出しておく
ココがプロの技
アサリは火を通しすぎると固くなるので、口が開いたら一度取り出しておく。アサリから出た水分はスープに使うためフライパンに残したままにする

フライパンに残ったスープのみを「乳化」させるまで煮詰める
ココがプロの技
オリーブオイルとアサリから出た水分が分離したままだと、スープの味がスパゲティとなじみにくい。フライパンに残ったスープをしばらく煮詰めると、透明な水分と黄色いオイルが合わさり、白濁してトロッとした状態になる。これが「乳化」と呼ばれる状態。スープを「乳化」させることで、麺に味が絡みやすい美味しいソースになる
![スパゲティを[4]に入れてイタリアンパセリを加え、ソースと手早く絡める](https://www.irisplaza.co.jp/IMAGE/media/kurashi/kitchen/special/20120502/img/img17.jpg)
茹で上がったスパゲティを
に入れてイタリアンパセリを加え、ソースと手早く絡める。さらに取り出しておいたアサリも加え、よく和えて皿に盛り付け完成!
ココがプロの技
スパゲティは塩を効かせて茹でてあり、アサリからも塩分がでるので、味付けは最後の調整程度でOK


ここがPOINT!
オイルとニンニクの投入時期に注意
オリーブオイルとニンニクは、フライパンを熱した後に入れるとニンニクのエキスが出る前に焦げてしまうので、火をつける前、フライパンが冷えているうちに投入するのがポイント。投入したらゆっくりと加熱し、ニンニクの香りをオイルに移します。焦げそうになったら、ニンニクは取り出してOK!
炒める、焼く、煮込むの3役を1台で おもてなしにぴったりのメイン料理
地鶏のトマト煮 カチャトラ風

猟師風の意味を持つ「カチャトラ」とは、野菜やお肉をトマトソースで豪快に煮込んだ料理のこと。イタリア中部のウンブリア州ではポピュラーな家庭料理として知られており、鶏肉のほか、豚肉やラム肉を使う場合もあります。フライパンの主用途である「焼く」「炒める」「煮込む」の要素が詰まった一品で、フライパン料理の醍醐味をたっぷりと満喫しましょう!
鶏もも肉…1枚
ニンニク…1片
トマトの水煮…200g程度
水…適量
バジル…2枚
オレガノ(乾燥)…少々
ローリエ…1枚
鷹の爪…1本
パプリカパウダー…少々
強力粉…適量
塩・胡椒…適量
エクストラバージンオリーブオイル…大さじ3
白ワイン…少々
イタリアンパセリ…2〜3本
<ソフリット用材料>
タマネギ…1個
ニンジン…1本
セロリ…1本
つくり方

ニンニクは粗めにつぶしておく。鶏もも肉は食べやすい大きさにカットし、塩・胡椒、パプリカパウダーを振り、強力粉をまぶす
ココがプロの技
鶏肉にパプリカパウダーをまぶすと格段に風味が増す。カレーや他の料理を作る際にもおすすめ!小麦粉の中でもグルテンの強い強力粉を使えば、煮込んだソースによりとろみがつく。

鍋にオリーブオイルを入れ、つぶしたニンニクを入れて加熱する
ココがプロの技
「ボンゴレ・ビアンコ・スパゲッティ」のときと同様に、フライパンを熱する前にオイルとニンニクを入れるのが成功の秘訣! オイルに香りがついたらニンニクは取り去る

の鶏肉を
のフライパンに入れて加熱する
ココがプロの技
中弱火で皮目のほうからグリルし、焼き目がついたらひっくり返して裏側も焼く。フライパンに入れた肉は、中のエキスが漏れ出ないよう極力いじらないこと。表面をカリっと焼き固めてうまみをしっかり閉じ込める。
![[3]に白ワインを入れて強火でアルコール分を飛ばす](https://www.irisplaza.co.jp/IMAGE/media/kurashi/kitchen/special/20120502/img/img23.jpg)
に白ワインを入れて中火でアルコール分を飛ばす
ココがプロの技
アルコール分をしっかり飛ばしてから他の調味料を入れること。アルコール分を飛ばす前に他の調味料を混ぜると、全体的にぼやけた味に仕上がってしまう
※セラミッククイックパン以外のフライパンを使用する時は、強火でアルコール分を飛ばしてください。

中弱火にし、トマト水煮、バジル、ローリエ、オレガノ、鷹の爪、ソフリット(スプーン2〜3杯分)、水を加え、軽く混ぜる
ココがプロの技
タマネギ、ニンジン、セロリをオリーブオイルで炒めて作るイタリアの万能調味料「ソフリット」を隠し味に加えると、トマトソースがプロ級の味に変身! >>ココがPOINT参照

に蓋をして、中弱火でさらに10分ほど煮込み、塩・胡椒で味を調えて完成。イタリアンパセリを茎つきで飾ると彩りもキレイに
ココがプロの技
取っ手の取れるタイプのフライパンを使って作ると、できたての料理を熱いまま、フライパンごと食卓に出せて、洗い物も減るので便利!
今回、脇田シェフが使用したフライパンはコチラ
>>アイリスプラザをCHECK!

ここがPOINT!
「ソフリット」を常備しておこう!
野菜の甘みと旨みを手軽に料理に加えることができる「ソフリット」は、イタリア料理には欠かせない万能調味料。トマトソースだけではなくホワイトソースにもよく合うため、イタリアでは、パスタソースやリゾット、煮込み料理などさまざまな料理の隠し味として頻繁に使われます。作り方は、みじん切りにした野菜をオリーブオイルで30分ほど、ペースト状になるまでじっくりと炒めるだけ。冷凍も可能なので、多めに作って、作り置きしておくと便利です。