家事アドバイザー
土田登志子(つちだとしこ)

TU・TI編集室代表。週刊『料理百科』の編集長を経て、多くの生活実用書を手がけた経験から、居心地のよい暮らし方を発信する。“大人の家庭科塾”と簡単で効果抜群の“小掃除”提案は大好評。テレビや雑誌、講演など活躍の場を広げている。
○著書・監修は『スッキリ・簡単!「新☆お掃除」の法則』(三笠書房)、『幸せがやってくる魔法のかたづけ術』、『家がみるみる片づく本』(高橋書店)、『なんで私の部屋、いつも知らぬ間にゴチャゴチャなの!?』(すばる舎)ほか多数。
HP「つっちー☆マジック」http://ameblo.jp/tuti-magic
できるところからはじめよう
4つのレッスン
クールな夏色からハートウォームな秋色へ。小物の色や素材を替えるところからはじめましょう。
秋物を揃え、夏物をしまうだけでも、キッチンの印象はグーンと違ってきます。

プチレッスン


景色を替える






Memo「季節柄を知ろう」
四季がはっきり分かれている日本には、それぞれの植物の絵をはじめ季節柄があります。たとえば下の写真のそば椀のあやめ柄は、夏に使います。秋の七草など、旬の季節柄はおもてなしには欠かせません。

Memo「シールで変身!」
食器棚のガラスや鏡面に、つけはずしがしやすいシールを使うと便利。
涼しい背景から実りの季節柄へ。食器棚が秋色に変身しますよ。

STEP1 模様替えのプチレッスン
日本には古くから「衣替え」の慣習があります。「涼」や「暖」を見て、身につけて季節を感じます。
まず、手拭きタオルなど身近なものの色から替えてみましょう。
色を替える
タオルを替える

小さなものでも、差し色で印象が変わる。
ランチョンマットを替える

テーブルの上には旬の食材がいっそう引き立つ色を。
小物を替える
冷たいものは涼しそうに、熱いものはその温もりが伝わるように。それがおもてなしの基本。今使っているものから見直しを。
コースターを替える

冷茶やおしぼり受けなど夏用から、熱い飲み物やスープ用に。
小皿を替える

冷菓用の小皿から秋の味覚用に。
トレイを替える

木の肌色から塗り物などへ。
STEP2 キッチンの景色を替える
次は、少し面積の広い部分に変化をつけましょう。目線を考えて季節の演出をほどこすと、キッチンの景色がガラリと変わります。素材も秋冬仕様に替えれば、足もとや座ったときの感触もより快適になります。
スリッパ&マットを替える

ジョイントマットを木目調からカーペット調へ。
スリッパの色も秋色に。
カフェカーテンを替える

外が透けるようなレースや綿素材の夏仕様のものから、
ウールやニット素材でキッチン内に彩りを添える秋風に。
イスのクッションを替える

ゴザから起毛のものへ。
季節に合った座り心地のよい素材を選んで。
食器棚の印象を替える

スイカやアイスクリーム柄から実りや収穫の秋柄へ。
つけはずしが簡単な素材を選んで。
STEP3 秋物を揃える
秋は、野山や里からの収穫物でにぎわいます。夜長を楽しむひとときには、ホットドリンクが似合います。連想ゲームのように秋物を揃えてはいかがでしょう。
温かいスープを…

スープカップは、朝食の食器と一緒に収納すると使いやすい。
アツアツの料理を…

グラタン皿やラーメンどんぶりなどアツアツもののコーナーを。
ホットティーを…

テーブルの上にポットを置くと、秋モードに。
塗り物を…

塗り物や植物柄は、おもてなしの食卓に季節感を演出しやすい。傷がつきやすいので、扱いはていねいに。
季節の飲み物を…

冷酒グラスから熱燗徳利へ。食器棚の前面に置くだけでも秋冬の雰囲気に。
そろそろ鍋も…

お鍋の美味しい季節。卓上のIHクッキングヒーターなどを家族も取り出しやすい位置に。
しまう収納が難しいというキッチンなら、見せる収納もアリ
例えば、食器棚は上段に秋物、下段に夏物をしまったり、前列と後列に分けて、季節のものを前列に収納しても、季節感を演出しつつ使いやすいキッチンになります。
STEP4 夏物をしまう
夏限定で使うものは、秋からは出番がありません。きちんと汚れをとったら、早めにしまいましょう。ここでは夏アイテムの上手なしまい方を紹介。

冷茶ポットは、ふたをペーパーで包んでおくと、ゴムパッキンに臭いが移らない。

かき氷器は手アカや汚れを落としておく。キッチンペーパーに台所用洗剤をつけてこするとGood!

保冷バッグは中にキッチンペーパーを入れてくっつきを防いでからたたんでしまう。

そうめんセットは、箱に入れる。すきまに丸めた新聞紙を入れてパッキングを。

木のコースターはホコリと色アセの防止にキッチンペーパーに包んで。

冷酒器など薄いガラスは注ぎ口にキッチンペーパーをつめてガードして。

麦茶の茶渋は、卵の殻をくだいて入れ、台所用洗剤(3〜4プッシュくらいの分量)と、水(容器の半量くらい)を加えてからシャッフルする。手の届かない所もキレイになる。
ガラス製品が多いのは、夏物の特徴。「割れないように」しまうのが原則です。
そのためには、動かないように新聞紙などを丸め、すきまにパッキングするのがポイント。
箱にしまうときは、シールなど目印をつけ、重いものを下段にして重ねます。
まだまだあるヨ
夏物の片づけ方&秋物準備のレッスン
来年もすぐ使えるよう、キレイにしてからしまうのが鉄則。簡単にできる汚れ取りのコツと、次のシーズンも取り出しやすい収納法を紹介。

おそうじ&片づけセットはコレ!
左から順にパッキングの詰め物になる新聞紙。
保護しながら包めるキッチンペーパー。
密閉容器や保存袋は、ホコリを防ぎ外から中身がわかりやすいのでこまごましたものを収納するのに便利。

製氷器の汚れをとる
手が届かない所の汚れは、コットンと竹串で。
コットンに台所用洗剤と少量の水をつけ、竹串でこすると隅々まできれいに。

パッキングのコツ
新聞紙は包装に使うと中身が見えなくなってしまうので、丸めて詰め物に使おう。
アイテムの大きさに合わせてしっかり固定でき、何が入っているのかも見えるのでおすすめ。

保存袋&保存容器が便利
小さな物やこわれやすい物、数種ある物は、中身が見える容器に入れて保管しよう。
こわれ物かどうかが一目でわかり、迷子になる心配もなし。

包む
デリケートな素材は、接触をやわらげるように、クッキングペーパーで包むと◎。
さっと出し入れ!
イモ類はざるに入れる

冷蔵庫へ入れない根菜、イモ類はざるに入れて冷暗所へ。
収納カゴは季節別に色分け
取り出しやすく隠す

秋の収穫物はひとまとめに収納すると使いやすい。長期保存する米は、ペットボトルに入れておくと新鮮さが長持ちして見た目もキレイ!
キッチンの模様替えは、衣服の着替えと同じです。
小さな物や足もとを替えたり今まで買ったことがない色に挑戦するのもいい。
「エイヤッ」と、掛け声をかけるとできちゃいます(笑)。
効果は2つ。気持ちがさっぱりすることと、過ごしやすくなることです。
ぜひトライしてくださいね。