冬には雪深い山奥での庭作りです。子育てが一段落した時に「これからの人生を、家族と一緒に楽しめる庭を造りたい。」という思いに駆られ、この庭が完成しました。気候のことや、元々の和風の広い庭をどうレイアウトしたらよいかわからないなどなどの悩み事を基に、設計と庭の土台作りはプロにお願いしました。改造後はお気に入りの植物を植え、草取りをほぼ趣味として楽しんでいます。
現在の庭は、和と洋のコーナーに分かれています。和のコーナーは、植えてあった松の木を囲むように石を並べてロックガーデンに。洋のコーナーは、落葉する樹木が並ぶ花壇になっています。
フルタイムで働く週末ガーデナーですが、庭から元気をもらって仕事も頑張っています。
雪景色〜春を迎えて
冬は1mを超える雪が積もるのでガーデニングはお休みですが、土に触りたい、緑を見たい気持ちでうずうずしています。長い長い冬が終わり待ち望んだ芽ぶきの季節がやってくるとじっとしてはいられません。一番早く春を告げてくれるのはスノードロップ。清楚な白い花を見つけると「今年も春がやってきた!」という感謝の気持ちでいっぱいになります。
芝生エリアは少し緑になり、デッキの周りではブナやカエデも芽吹いて緑豊かな庭になってきましたよ。
ガーデンテーブルの上で黒猫「うら」がまったり。
ブナの木の下ではクリスマスローズが次々に開花。シクラメン、チューリップは原種系のものを集めました。原種シクラメン「コウム」は特にお気に入り。早春に咲く小さな花はあまり自己主張しないだけに、健気で愛らしい? いつかナチュラルに咲くクリスマスローズとコウムの風景を作り出したいと思っています。
ユーフォルビアの緑のグラデーションに水仙の黄色も好きな組み合わせです。
サトウカエデの下にはパステルカラーのチューリップを。毎年よく考えて植えているつもりですが、色合わせってむずかしいです。後ろの山の風景に随分助けられていますね。
この季節は朝起きてすぐ庭に出るのがお楽しみ。バラのつぼみはまだ固いけれど、宿根草が咲き始めました! フクロナデシコやルピナスが咲き、ノルウェーカエデプリンストンゴールドの葉っぱがまぶしい位に輝いています。大株になったタイツリソウは芽吹きから開花までが早く、ゆらゆら揺れるピンクの花が可愛いです。
和のコーナーではミヤコワスレが咲いています。
我が家のバラ時間
いよいよ始まるバラ時間。アイスバーグはほんとに真っ白!わたしの庭にこんな純粋な白があっていいのかしら…。マチルダは名前も可愛いけれどお花も超可愛いです。そしてバーガンディアイスバーグ。以上3つは去年の秋から今年の春にかけて植えた物で、今年初めて咲きました。
どんな花が咲くのかワクワクドキドキしながら待っていましたが、どのバラも期待を裏切らず、美しい花を咲かせてくれました。庭に来てくれた友人たちに好評だったのはバーガンディアイスバーグでしたよ。
我が庭のシンボルとなっているコロラドグリーンのパーゴラにはブランピエールドゥロンサール。シルバーリーフのプンゲンストウヒや紫のクレマチスとのコラボレーションにもうっとりしてしまいます。
枕木で作った立水栓の脇で咲いているのはブルーフォーユー。植えて二年目の今年は花数が格段に多くなりました。咲き始めよりも紫が薄くなった感じの色が好きです。
ニューサは四季咲きで、桜のような小花を次から次へと咲かせてくれます。我が家のバラ選びの基準は、この田舎の風景に似合うかどうかと、病気に強く育てやすいこと。そしてちょっと控え目な色が多いかもしれません。
バラもいよいよ終盤となり、庭の景色も初夏になってきました。この時期は雑草も伸び放題。娘には「草取りばばあ」とからかわれる程大好きな草取りを一日中楽しんでいます。ウッドデッキはテーブルセットとパラソルで腰かけてお茶ができるようになっていて、草取りや農作業の合間はここで休憩しています。穏やかな風景や野鳥の声に癒されてまた作業に励む、そんな時間が大好きです。
6月になると石の庭の山紫陽花のコーナーがいい感じになってきました。目を引く色合いの山紫陽花にナルコユリの斑入りの葉っぱと、白いつゆ草がいい仕事していると思うんです。
背高のっぽの真ん丸アリウムはすっかり我が庭の定番。
メインの庭のアナベルが白くなってくると、モナルダエキナセアといった宿根草も花を咲かせ、庭がとても賑やかになってきます。
夏色を求めて
「涼しい」「避暑地」というイメージがある、ここ長野ですが、今年は異常な暑さでした。庭に出られるのは朝と夕方だけ。水やりにも時間がかかります。雑草も伸びないほどの暑さの中でフロックスは涼しげ。いただきもののヘメロカリス二年目が咲きました。これぞ夏の色です。
銅葉のカエデ「クリムゾンキング」の下で夏の庭に欠かせないエキナセアが満開。
ももちゃんはガーデンテーブルの上で夕涼み。この場所は他の猫には譲れません。
お盆を過ぎてやっと降った雨。久しぶりの雨で芝生が生き返りました。毎日の水やりよりも1回の雨の方が植物が嬉しそうに見えます。三尺バーベナとルドベキアタカオが元気です。
アズーロコンパクトやジニアもすごい花数になっています。
深まる秋
秋を迎え、段々と寂しくなってくる中、ポツポツ咲いている花もあります。ミセバヤも満開になりました!少し紅葉した葉っぱもいいですね。挿し芽で庭のあちこちに増やしています。
ムラサキシキブの実もきれいです。ちょっと寂しい秋の庭ですが、小さな変化を見つけるのが楽しいです。ソヨゴの実も赤くなりました!可愛いね〜。
秋バラが少し咲いてシャンテロゼ・ミサトは最後の一輪。最後の一輪もとってもいい香りです。
周囲の山々の紅葉が進んできました! 我が庭のサトウカエデも綺麗ですよ〜。ブナや土手下のイチョウの木も色づき、いよいよ落ち葉掃きが大変な頃になってきました。
秋のバラが終わり、ブナやカエデが葉を落とすと冬がやってきます。来春の庭を思い描きながら球根や宿根草を植えるのが楽しい作業です。
雪が降る前につるバラの誘引と植物たちを守るための冬囲いをして今年の庭仕事は終了となります。そして、長い長い冬の先にある春を楽しみ待っています。
プロフィール
編集部より
山々を望む自然豊かな場所で、気候に合わせたガーデニングを楽しんでいるkayochaさんのお庭です。雪深い冬から徐々に春の訪れを感じる頃は、特に心が弾むことでしょうね。バラの絡むグリーンのパーゴラをメインに、植物の色が引き立つレンガエリア、目にも優しい芝生エリア、和の雰囲気を生かしたロックガーデンなど、変化に富んだ設計が素敵です。ウッドデッキでくつろぐ猫ちゃんたちにも癒されます。風景に溶け込む美しい木々や、表情豊かで魅力的な植物たちを、これからもたくさん紹介してくださいね。