
扇風機評論家 奈良 巧 さん

プロフィール 1958年生まれ。扇風機評論家。出版社で25年間雑誌編集者・記者を勤め、3年前に退職し、現在フリーライター。文化放送「吉田照美ソコダイジナトコ」では毎週水曜朝7時15分から「週刊誌記者奈良巧のトレンドまんまんなか」を担当。近著に『加齢臭読本 (草思社)』がある。
昨年からの節電志向を受け、この夏も引き続き扇風機が人気とか。それに引き替え、電気代がかかるエアコンはどうも旗色が悪いようです。ところで最近よく見かけるサーキュレーター…扇風機の小型版みたいなこの機械はエアコンと一緒に使うと、電気消費量が10〜20%も抑えられるとか!今までの冷房対策の見直しを考えている方は、この夏「サーキュレーターを買い足す」という選択肢もありそうです。そこで扇風機評論家・奈良巧さんにその使いこなし術をそ〜っと伝授していただきました!
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どちらもモーターで羽を回して風を作る点は同じですが、風の種類が違います。扇風機は近い距離に広く風を送りますが、サーキュレーターは直進する風を遠くに送ります。また扇風機は単体で使いますが、サーキュレーターはエアコンと一緒に使うことが多いという違いもあります。それぞれの特徴を知って風を使い分けることが節電につながります。
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人に風を送って「涼しい」と感じさせる
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風が近距離に広範囲届く
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夏だけ使う
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部屋の中に風をおこして空気を撹拌(かくはん:かきまぜること)する
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直進性のある風が遠くまで届く
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一年中使う
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扇風機として使えるタイプもある
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室内の空気を循環させることは分かりましたね。次は具体的にどんな“風”に使うのかを伝授していただきましょう。効果的にサーキュレーターを使うことができれば、快適と節電を同時に手に入れることができます。エアコンとの併用が一般的ですが、いろいろ試して自分なりの使い方を発見してください。
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エアコンの設定温度を一度上げて、サーキュレーターで床に停滞した冷気を循環させます。冷房の効いた部屋で、サーキュレーターの風を長時間身体に当て続けるのは体にを良くないで、使い方には注意が必要です。 -
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風を上部に送って、天井付近に溜まった暖かい空気を部屋中に循環させます。室内の温度差をなくすことでエアコンの設定温度を下げられます。


エアコンをバリバリに効かせた部屋は「冷蔵庫」みたいだと思います。「冷蔵庫」部屋に慣れた日本人は、夏の暑さを克服する知恵も意欲も、少し昔まで持っていた涼感を感じる感性まで、放棄してしまったのかもしれません。見方を変えれば、節電対策が話題の今年こそ、皆で知恵を出し合って、扇風機やサーキュレーターの風吹く「木陰」部屋の心地よさを見つけるチャンスだと言えます。私のお気に入りは、真夏に汗をダラダラ流して帰宅し、クール系シャワー剤でシャワーを浴び、扇風機代わりのマイ・サーキュレーターの前に仁王立ちした後、全身にベビーパウダーをはたく……というコース。想像しただけで口元がゆるんじゃう。そうそう、クール系シャワー剤は「エクストラクール」がオススメです。

さて、サーキュレーターの魅力がお分かりいただけましたか?でも【固定】【首振り】【静音モード】【おやすみタイマー】……価格もタイプも多種多様でいったいどれを選べばいいのか迷いますね……。大切なのは「自分がどんな風に暮らしたいか?」を考えて選ぶことかも。この夏はライフスタイルに合った機種を見つけて、サーキュレーター・デビューしてみませんか。
風の通り道を作る
風を独占する


サーキュレーターで大切なのは、使い手がどれだけ使いこなせるか…ということ。上手く使えば単機能タイプだって“お宝”だし、機能満載タイプは“宝の山”!個人的な意見としては、家庭で使うなら【静音モード】は必須、【首振り】【タイマー】は便利、【リモコン】は至れり尽くせり……ってところかな。え、今度、羽の直径が23cmの新商品が出たの?……それはすごい…… 羽が大きいと風量が格段にアップするけれど、逆に音は静かになるんだよ。……たとえば直径が2p大きくなると……ブツブツ…(この後まだまだ続くため中断)