暑い夏がやってきます。インテリアに家具や小物などを使って一工夫を加えることで、涼しげなリビングや玄関を演出できる。そんなインテリアのポイントをいくつかご紹介します。 エアコンに頼りっきりではない、寒色系のカラーコーディネートをして快適に過ごしましょう。
目次
Lesson1 カラーコーディネート
■夏のカラーコーディネートのポイント

暑い夏をキモチよく過ごすためには、インテリアのカラーコーディネートが大切。 視覚から入る色によって、気分が大きく変わってくるだけではなく、体感温度も変化するそうです。
これはある色彩心理の実験で、目を隠しながら、赤い壁の部屋と青い壁の部屋に交互に入ると、体感温度が3℃も異なったのだそう。言うまでもなく、青い壁の部屋のほうが、体感温度が3℃低く感じられたそうです。このような結果からも、寒色系のカラーである、青や青紫、青緑は、涼しげに見せる、感じさせる配色として、外せないカラーといえるのです。 それらのカラーをインテリアに取り入れることで、エアコンをの設定温度をあと3℃は上げられるかもしれませんね。節電対策がしっかりできて、とってもエコといえますよね。
カラーセラピスト・石井亜由美さんが教える 夏カラーを取り入れるポイント
シャーベットカラーで演出

涼しげな色をイメージするシャーベットカラー。
シャーベットカラー=パステルカラーのことですが、その中でも涼しげな寒色系や、暖色系でも少し青みの入った色を選ぶと、甘すぎずにクールさとエレガントさを兼ね備えたイメージを演出することができます。
ちなみに、青みの入った暖色系とは、アジサイの色のような紫みの入ったラベンダーピンクや、淡いレモンイエローなど。 寝室の小物やリネンに、このシャーベットカラーを取り入れてみてはいかがでしょうか。なぜなら、これらの色は色の中でも、一番筋肉の疲労を取り除き、心身のリラックス効果があるといわれています。
ライトトーナス(光に対する筋肉の緊張度)という実験でも、人のカラダに色の光を当てたときに、脳波や汗の分泌量から筋肉の緊張の度合いを測ったところ、ベージュやパステル系のカラーが一番、筋肉をゆるめたといわれています。そんなところからも、一日の疲れを癒す空間である寝室のベッドカバーやピローカバー、また面積の大きいカーテンなどにもオススメです。

シャーベットカラーを取り入れて、寝室を癒しの空間に
ブライトトーンやネオンカラーで演出

また、シャーベットカラーよりも、くっきり鮮やかなブライトトーンやネオンカラーも、トレンドカラーです。 このカラーはアクセントカラー的に取り入れたいですね。 鮮やかなオレンジ、黄緑、イエロー、レッドなど、私たちにパワーチャージしてくれる元気なカラーグループです!
これらの色は、ソファーカバーやクッション、照明、収納グッズ、キッチングッズなどに取り入れると、生活に楽しさと華やぎを与え、毎日に良い刺激を与えてくれるでしょう。ブライトトーンのカラーの中でも例えば、寒色系カラーである青や青紫、青緑は、涼しげに見せる配色として、外せないカラーです。
インテリアに絵などの飾りをディスプレイして、お部屋に癒しをもたらす空間にしてみるのもいいですね。

寒色系のブライトトーンのカラーを取り入れて、華やかな空間に
寒色系のカラーで涼しげな毎日を演出!
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インテリアのベースカラーとトレンドカラーを合わせるときのポイント
インテリアのベースカラーである、ホワイト、ブラウン、ベージュの3色と、シャーベットカラー& 鮮やかなブライトカラー・ネオンカラーのカラーコーディネートの組み合わせについて考えてみましょう。
■ベースカラーがホワイトのとき
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寝室に取り入れてリラックス -
バスタイムにもトレンドカラーを
ホワイトに合わせるなら、少し青みの入った色と合わせると相性が良いので、夏の清涼感を演出するためにもラベンダーやラベンダーピンク、
水色、ミントグリーン、青緑、などでコーディネートすることが最適。これらの色は、
カラーセラピー的に安眠効果が期待できる色ともいわれていますので、寝室向き。
また、ラベンダーやラベンダーピンクは、女性ホルモンの分泌も促進しますので、バスルームや洗面ルーム、
ドレッサーなどのお部屋に◎。美と若さをチャージしたい方にオススメ
■ベースカラーがブラウン・ベージュのとき
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ブラウンベースに黄緑をプラス -
ベージュベースに淡いオレンジをプラス
ブラウンやベージュには、黄みの入った色と合わせると相性が良いので、 淡いオレンジ、アクア(淡い青緑)、黄緑、山吹色、朱赤などがオススメ。
これらの色は、暖色系なので、空間に明るさやイキイキとした雰囲気を伝えますので、家族同士が仲良くなれる効果を持っています。
色の比率は、基本的には、ベースカラー70%、サブカラー25%、アクセントカラー5%を守って考えましょう。 ベースカラーは壁紙やカーペットに。サブカラーはカーテン、ベッドシーツ、ソファーに。 アクセントカラーはクッションや観葉植物、お花などに使うとバランスが取れます。
例えば、ベースカラーの壁や床がベージュなら、サブカラーのカーテンやソファーに淡いオレンジや黄緑、 小物やお花などに山吹色や朱赤などを取り入れてみましょう。
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ブラウンベースに黄緑をプラス -
ベージュベースに淡いオレンジをプラス
また、このような色の比率もおすすめです。 サブカラーの25%の部分に、今一番ココロ惹かれる色をリビングに取り入れてみてください。その色は、その方にとって心身の健康を維持する色なのです。
サプリメントや食べ物と同じように、ぜひインテリアの中に入れていただくと、心身が和やかになることでしょう。 きっと心身が解放されて、ささやかな幸福感が生まれるかもしれません。
Lesson2 夏を感じる「ファブリック」

室内に配置された家具を、夏用にすべて買い換えるのは難しいことですが、交換可能なカーテン、ラグ、ベッドカバーなどといったファブリックを、 季節に合わせて用意するだけで部屋の印象が大きく変わるものです。
これらのファブリックを交換することには2つの意味があると考えられます。 ひとつは、触った時の“素材感”を変え、肌触り、手触りにさらっとした心地よさを与えること。 そしてもうひとつは、視覚からくる“感覚”を、季節に合わせて涼しげなものに変えてしまおうというものです。
視覚から涼しさを感じるというのは、先に述べたように、色彩の力によるものが大きいですよね。 この季節には、涼しさや静けさを感じさせるブルー系や、または温度を感じさせないモノトーンカラーのファブリックを取り入れることが基本です。 逆に赤やピンク、ブラウンなどの暖色系のカラーは、温かみを感じさせてしまうので、できれば避けるか極力少なめにするほうが良いでしょう。
【カーテンを替える】

カーテンの交換には目的によって、2通りのパターンが考えられます。まずは、視覚を重視してブルー系や透ける素材のカーテンに替えるということ。そしてもうひとつは、遮光カーテンを取り付けるというパターンです。
遮光カーテンは、外からの日差しをカットする事によって、物理的に室内が暖まるのを防ぐと同時に、エアコンなどで冷えた室内の空気を外に逃がしにくくする効果も。その結果、エアコンの設定温度を抑え、節電が可能になることから確実にエコへと繋がっていきます。
視覚重視ならカーテンの素材は、軽く透け感のあるものがおすすめ。木綿やサマーウール、ポリエステルレーヨンなど、薄く軽い感じで、触ってシャリシャリ感のあるものが良いでしょう。柄は暑苦しく感じないよう、大柄のものは避けたほうがベター。ボリュームも少ない方がいいので、ひだを少なめに取るのも良いかと思います。風を感じさせるものが気持ち良いので、そういう意味では、“すだれ”をカーテン代わりに使ってもいいですね。
おすすめ商品
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- ドレープ+レースカーテンセット4P 幅100cm 4枚組み
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【ソファーカバーを替える】

ソファーカバーは、直接肌に触れる機会が多いので、素材感を重視したいもの。
起毛素材や保温性のある素材は避け、サラッとした質感のある綿や麻などのカバーを選びましょう。そういった意味でも、季節や気分でカバーの取り替えが簡単にできる、“着せ替えソファ”が便利でおススメ。
カバーの種類も、素材・カラーでバリエーションが豊富なので、季節に合わせて用意するのはもちろん、試してみたかった冒険色など、あらゆる色にチャレンジしてみることも可能となります。
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- ゆったりとくつろげる2人掛けサイズ♪
【ラグを替える】

ラグといえば、一般的には秋冬用が多くなっており、毛足の長い“ファータイプ”などのように、ふかふか温かい種類のものが主流。
リビングなどで長い間過ごす部屋などには、い草や籐、竹など、古くから愛用されている天然素材などといった、さらさらして通気性の良い素材のものや、夏向けの毛足の短いラグへと交換すると良いでしょう。またラグの色も、グリーンや青色など寒色系のカラーコーディネートでより涼しさをUPさせましょう。
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Lesson3 夏を感じさせるアイテム

夏を感じさせるアイテムを配置し、“季節そのもの”を楽しんでみるのも良いでしょう。“夏の風物詩”の代表的なものといえば、『金魚』『風鈴』『うちわ』『蚊取り線香』など。 どれも涼やかなイメージを持っているうえ、サイズも手ごろなものばかりですから、インテリアグッズとして大活躍します。
リビングや玄関などに涼感の小物やインテリアを飾ってみましょう。手はじめに壁や棚を飾るアイテムを、夏仕様に模様替えしてみてはいかがですか。 とても手軽ですし、気分も一新できてオススメ。

やはり、色合いはブルーなど寒色系のものを用意するのが良いでしょう。キラキラしたものや、透明感のある素材を使ったオブジェはクールなイメージを演出してくれます。 また、ガラスに水という透明な素材の組み合わせは、無条件に涼しげに見えるもの。ガラスの器に水をいれ、水生植物や金魚を浮かべてみれば、その水の音や気配が涼しさを呼びます。
もちろん、ガラス製の小物だけでもOK。涼しさを感じさせてくれる素材ですので、家具の上やキッチンのコーナーなど、模様替えなどで大掛かりな演出がしにくい場所に飾り、涼しげな夏を演出すると良いでしょう。

食卓の上に涼しげに見えるものを並べてみるのも心地よいものです。ガラスの食器はもちろん、ランチョンマットの代わりに、巻き簾を使ったり、陶器よりも磁器、藍の器など小物や飾りものを使ったりしてみるのも良いかと思います。
あるいは、白い磁器でスッキリとキメても、夏の食卓にクールな印象を与えます。 ちょっとした工夫で、暑い夏を乗り切る。先にあげた“夏の風物詩”は、そんな昔の人たちの生活の知恵がいっぱい詰まった、手軽な“避暑アイテム”といえそうですね。 是非、活用してみてください。

石井 亜由美(いしい あゆみ)
カラーセラピスト&アロマテラピーアドバイザー/ハートフルカラー 代表
http://heartfulcolor.lovepop.jp
「色彩と旅」をライフワークとし、カラーセラピストとしての視点から、多くの女性誌やフリーペーパーへ寄稿。イメージアップやコミュニケーションに関する執筆活動を行いながら、色彩心理学をベースにしたイメージアップやコミュニケーションマナー、売り上げを伸ばすカラーマーケティングなどのテーマで講演を行っている。