
工場・古道具・ビンテージな空間・アースカラー、こういったものがすごく好きでして。これらの要素が全て入っているのは、幼い頃に観た『天空の城ラピュタ』や『風の谷のナウシカ』の、あの背景。古い工業系の空間に女の子が無理なく似合ってしまう、あの空間。
そんな、ノスタルジックでどこか懐かしいような空間に住みたいと強く思うようになったのが、新築の家に住んでから1年以上経った頃のこと。そこから1年半かけてセルフリノベーションを重ね、ようやく今のインテリアに辿り着きました。
リビングの背景はDIYで男前に
リビングです。キッチンとの境にある杉板の腰壁&飾り棚、黒板は、現場監督さんに許可を得て、家の建築中から業者さんに紛れて作った思い出深い作品。さらにはその奥にあるキッチンカウンターや玄関の下駄箱なども含めて2週間の期限で作ったので、かなり根性が必要でした。白文字のカッティングシートもお気に入りです。
リビングテーブルは、天板に輸入壁紙を貼り、アイアンの脚には古びたアレンジを加えてリメイク。ブロカントなテーブルの完成です!壁紙の上には水性ウレタンニスを塗って、防水・汚れとめくれ防止、表面強化などの効果を持たせました。
リビングのテレビ側。奥のクローゼット扉は木材の貼り付けやステンシルなどで、ロッカーをイメージしてリメイク。何度も塗り直して、この色にたどり着きました。手前にあるサニタリースペースの引き戸も輸入壁紙でロッカー風に。この壁紙を貼った瞬間『決まったー!』て思いましたね。この感覚がDIYで たまらない瞬間です。
テレビ横のクローゼットのドアも海外の部屋をイメージして、薄いベニアを貼り付け、エイジング加工とペイントでリメイク。ステンシルも上手く仕上がりました。
木の枝や合皮などで作ったラダーと、セリアの食器をリメイクして作ったアンバーのペンダントライトが、お気に入りの眺めです。
木の床×ロッカー壁紙で学校風なキッズスペース
リビングから一続きであるこのスペースは、元々は和室でナチュラルな雰囲気だったキッズスペース。イメージは、「工場の片隅にある学校」に始まり、リノベーションを重ねて、ノスタルジックな雰囲気に近づけてきました。クッションフロアも、お気に入りのリビングの床色と合う物を求めて試行錯誤を続け、つながりのある空間になりました。クローゼット内の収納も、なるべくお部屋の雰囲気に合わせるように工夫しました。
壁の棚ももちろんDIYで。教科書やおもちゃを収納する棚も、娘が使いやすいように設計して作りました。壁には塩ビ管を張り巡らせて工場のような雰囲気を表現。さらに自作の黒い万年カレンダーでかっこ良さを出しつつも、女の子が居ても似合うよう、ガーリーな女の子服をディスプレイ。甘辛でノスタルジックな空間になってます。移動式でスタッキングできる3段式のおもちゃワゴンは、3箱を広げて盛大に遊んでも、仕舞うのはポイポイと放り込むだけでOKなので、片付けが苦手な娘でも、一人で出来るようになりました。
塩ビ管がポイントのレトロなキッチン
キッチンは元の淡いレトログリーンから、白いサブウェイタイル風の壁紙に貼り換えました。この壁紙はほんとに優秀で、インテリアのジャンルを問わず、どんなテイストにも似合う気がします。
キッチンカウンターの天板はタイル貼りにしました。レトロでノスタルジックな色合いが気に入っています。キッチンワゴンやスパイス棚も全体のイメージに合わせて製作。シルバーテイストの雑貨や塩ビ管で工場のような雰囲気を出しつつも、木目の配分を多めにしたり温かみあるタイル小物をプラスして、全体的に柔らかな印象にしています。
キッチンカウンターの横にはパソコンスペースがあるんですが、ここもサブウェイタイル風壁紙のお陰ですっきりとしたカッコイイ空間になりました。
白タイルと塩ビ管の組み合わせは、ずっと前からやってみたかったんです。むしろ塩ビ管を付けるために、白タイルやコンクリート風の壁紙を選んだと言ってもいいくらい! 取り付けは、塩ビ管を直接壁面に仮止めしながら1コーナーずつ測ってカットしてを繰り返すという地道な工程を続け、出来上がってから一気に塗装し、それを設置する方法にしました。
ダイニングスペースも基本は男前・塩系・インダストリアルな方向で、濃いめのコンクリート調の壁紙を選びました。でも空間がくどくなり過ぎないように、奥の壁には白の大きなブックシェルフを設置したり、白のパタパタ窓をつけたりすることで、やっぱりここも、ちょっと甘めでノスタルジックな雰囲気になるように。ブックシェルフは家に残っていた板とアイアン製の園芸棒を使っています。薄型ながら収納も見た目もバッチリです。ラベルを貼った黒のバインダーには学校や町内のお知らせなどを挟んで、便利に使っています。テーブル上には、フィッシャーマンズのペンダントライトを。無骨な感じがとても気に入ってます。
ダークカラーで引き締めた洗面スペース
ロッカー柄壁紙の引き戸を開けると、サニタリースペースがあります。ブルーグレーとタイル柄という甘めな雰囲気の壁紙を背景にに黒やシルバーをプラスすることで空間全体をピリっと引き締めています。また木目のパタパタ窓や家具などの配分を多めにすることでノスタルジックな雰囲気になるようにしました。
トイレはシンプルに、一面のみサブウェイタイル風壁紙を貼っています。
玄関は木製の下駄箱+ディスプレイでカフェ気分♪
玄関は、インダストリアルとか男前な感じは入れつつもどこか清涼感のある雰囲気を心がけました。景色のいい高原のオシャレなカフェに来たかのような。
下駄箱も建築中に製作したものです。壁はペイントだけでモルタル風に。ペンキのグレーよりもほんの少しだけ濃いめのグレーを作って、それをスポンジで壁に叩いて、そのあとすぐに雑巾でこすって・・・という方法。どの場所も、独自の方法で工夫を重ねています。
ディスプレイは百円ショップのアイテムをアレンジしてチープに見えないように。ペンダントライトは後藤照明のもので、ノスタルジックな感じがとても素敵です。
プロフィール
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macaさん(女性/40代/主婦)
- 建物の種類:一戸建て
- 間取り:3LDK
- 築年数:5年
- 居住人数:4人
- 好きな家具・雑貨店:ニトリ・100円ショップ
- この家の好きなところ:リビングに入るとキッチンカウンターがすぐに目に飛び込んでくるところ
- この家の悩み:トイレが暗いこと
- HP:LIVE LOVE LAUGH -maca home-
編集者コメント
セルフリノベーションで理想の空間作りを目指すmacaさんのお部屋です。思い描いたのは、どこか温かみのあるレトロ感、ノスタルジックな想い・・・。木の色をベースとした男前インテリアの中で、見事に表現されています。
デザインや配色、加工など、独自の工夫を重ねたDIY作品の数々は特に見どころ。壁に取り付けた塩ビ管のディスプレイは力作ですね。とてもカッコ良いです。壁紙では、個性的なロッカー柄がお部屋にしっかり馴染んでいるのが印象的でした。
また、キッチンとリビングの間の腰壁とキッチンカウンター、下駄箱までを、たった2週間で作り上げたとは驚きです! お部屋作りに対する情熱が伝わってきますね。
自分の中にある「イメージ」がピタッとはまった瞬間こそがDIYの醍醐味というmacaさん。これからもmacaさんのひらめき、感性を大切にした、お部屋作りをますます楽しんでくださいね。