じめじめした蒸し暑い季節は何事も億劫になりがち。でもカビや臭いが発生しやすいこんな時期こそ手を抜けないのが「家事」です。どうせしなくてはならないなら、知的に効率良くこなしましょう。今回は、「知的家事」の提唱者・本間朝子さんに、夏の家事をラクに効率化するヒントを教えてもらいました。

本間朝子さん
知的家事プロデューサー/働く女性の知的家事Logica(ロジカ)代表
- フードプランニング会社のチーフディレクターを経て独立。仕事と家事の両立に苦労した経験から、働く女性に向けた家事メソッド「知的家事」を考案。
セミナーなどを通して、知的に家事負担を削減する方法を多くの主婦に伝えている。
著書に『欲しかった“あと1時間”を手に入れる時短家事メソッド』(KKベストセラーズ)がある。 - 本間さんのサイトはこちら→http://honma-asako.com/
湿気の多い季節の家事で、とくに大変なのがお洗濯。乾きにくく、カビや臭いも発生しやすい! 室内干しのコツと、室内干しに合った上手な洗濯法を聞きました。
湿気に負けない!洗濯術
湿気の多い季節のお洗濯のポイントは「雑菌が繁殖しない環境を作る」こと。
そのためにも「しっかり汚れを落とす」「しっかり乾かす」この2点が重要です。
室内干しの場合は、生乾きの状態が続くと雑菌が繁殖しやすくなり、臭いの原因にもつながるので、できるだけ手早く乾かす工夫を。
また、しっかり汚れを落とそうとして洗剤を入れ過ぎるのはNG。洗剤が残り、洗い残しにつながります。
適量を守りましょう。
≪洗う前にやっておきたいこと≫
- 汚れ物は洗濯槽にそのまま入れない。通気のよい洗濯カゴの中に入れる。
- 洗濯槽は定期的にカビを除去。カビ・臭い防止に洗濯機のふたは開けておくこと。
- 梅雨の洗濯はまとめずこまめに。入れ過ぎも注意。洗濯機の6~8割を目安にする。
≪洗う時に気をつけること≫
- 洗濯洗剤は適量を守る。酸素系漂白剤を併用したり、漂白剤入り(部屋干し用など)の洗剤を使うのも◎。
- 柔軟剤は抗菌効果のあるものを使う。
- 梅雨時の洗濯は脱水を少し長めにかける(衣類がいたまない程度)。
ココがポイント!室内干し

部屋の湿気を外に追い出す方法
- 湿気が多い部屋で室内干しをすると乾くのに時間がかかります。湿気を減らしたいときにおすすめの方法が、サーキュレーターを使用したこの方法。窓を少しだけ開け、上部をプラスチック段ボール(段ボールでも可)などでふさいだ状態でサーキュレーターを外に向けてかけると、部屋中の湿気が外へ出ていきます。
-
サーキュレーター・扇風機?

カーテンレールにかけて干すのはNG
- 洗濯物をカーテンレールにかけると、重さでカーテンレールが歪んでしまったり、カーテンレールの汚れが洗濯物につく可能性もあります。
またカーテンにカビが生えてしまう恐れも。日頃の取り込み場所と兼用した、室内物干し用の場所を設置しましょう。 -
室内物干し?

室内干しの臭い防止に「除菌スプレー」
- 室内干しの臭いを防ぐには、洗濯物を干す際に「除菌スプレー」をかけると効果的です。洗濯物がまだ濡れている状態のときに、30cmくらい離れたところから全体にスプレーするのがコツです。
梅雨時期の調理は、カビのほか、食中毒も心配。なによりも暑くて面倒くさい! 夏こそ台所仕事は時間とモノを上手に使って合理的にこなしましょう。
キッチンのカビ対策
気温、湿度ともに上昇する梅雨どき、キッチンで気を付けたいのが「カビ」。増殖する前に、カビができにくい環境にしておけば、常に衛生的で、カビ掃除の時間も短縮できます。生ものや湿気がたまりやすい「シンク回り」のカビ対策を教えてもらいました。
排水口の菊割れゴムを
衛生的なステンレス製に- ヌルヌルしやすい排水口の菊割れゴム。市販されているステンレスタイプの排水口キャップに変えるだけで、滑りがなくなりカビも生えにくくなります。
除菌&洗浄の面倒な
三角コーナーは撤去!- カビの温床になりがちな三角コーナーは撤去。保存容器などにビニールをかけて代用すれば、生ものやゴミを入れた後、ビニールを捨てるだけ。三角コーナーを洗う必要もなし。
シンクの水気は
スクレーパーでスッキリ- カビ防止のため、シンクは水滴をしっかり拭き取っておきたい。鍋などの汚れを取るスクレ―パーなら、水気もさっと切れるし、ふきんのように洗ったり干す手間もありません。
梅雨時期の調理のコツ

- この時期はキッチンが蒸し暑く、調理も苦痛に感じがちです。楽しく乗り切るためには、「栄養価の高い料理を、短時間で作る道具」を上手に活用しましょう。
おすすめは、圧力鍋や無加水鍋、シリコンスチーマー&電子レンジといった便利な時短調理器具たち。食材を加熱しても食材の栄養素が失われにくい上、加熱時間が短時間で済むため、部屋が暑くならず快適に料理ができます。
梅雨時期のお弁当づくりのポイント
梅雨は食品が傷みやすく、食中毒の原因になる細菌の増殖が気になる季節。作ってから5〜6時間後に食べるお弁当はとくに注意が必要です。ここでは、楽チンで効果的な「傷みにくいお弁当の工夫」を紹介。
お弁当は丸型に
- お弁当箱は洗いやすいシンプルなつくりのものがおすすめ。角が洗いづらい角形よりも洗いやすい丸型がベター。
酢で殺菌する
- 弁当箱は洗ったあと、酢を含ませたキッチンペーパーで拭いて殺菌しましょう。詰める直前でもOK。
梅干しや酢で傷み防止
- 炊飯時に酢や梅干しを入れて炊くと、傷みを防げます。ご飯を詰めた後、梅干しを散りばめてのせるのも◎。
おにぎりはラップで握る
- おにぎりは手で握らず、ラップで握るほうが衛生的。この時期は傷みやすいので炊き込みご飯は避けた方が無難。
生野菜より温野菜
- 生野菜は洗っても細菌が付いていることがあるので夏場は控えた方が無難。茹で野菜はきちんと冷まし、キッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取ってから入れましょう。
トマトはヘタを取る
- 彩りがよくお弁当に最適なプチトマト。実はヘタに細菌が多いので、ヘタは取り除いてから入れましょう。

本間先生からのアドバイス
ご紹介した洗濯の方法やキッチンのカビ対策は、梅雨の時期だけでなく、一年中カビやヌメリの予防に効果的です。
梅雨のために備えをするのは少々面倒ですが、梅雨が終わっても継続して役立つ内容なので、ぜひこの機会に取り入れてみてください。
「住まい編」もおたのしみに!