
褐明電機 高野 亨
さてさて、
今回は毎日、しかもフルタイムで働いてくれている冷蔵庫です。
冷蔵庫に関しましてはメンテナンスというより注意点がございますのでその辺りを
お話させていただきたいと思います。
メンテナンスで節電!?
代表的な家電といえばテレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、照明器具、掃除機といろいろございますが・・・
ここで皆さんちょっと考えてみて下さい。
一般的な使い方のご家庭では朝も昼も夜も一日中稼動しているのは、冷蔵庫だけです。
ということは必然的に、ご家庭の中での電気代の消費割合も高いものになります。
そんな冷蔵庫ですので少々のメンテナンスや工夫で長持ちさせたり、更には掛けに大助かりで電気代を節約することができるんです。
それではまず、お使いの冷蔵庫の近辺をちらっと、いえ、じぃぃーっと眺めてみてください。
(1)冷蔵庫の上に物等を載せていないでしょうか?
夏場はエアコンの室外機が熱い空気を出して放熱してますよね。
それと同じで冷蔵庫は天面や側面から放熱しています。
それを阻害していしまいますと冷却能力が低下し、電気代が余計に掛かってしまいます。
また振動や地震などで物が落下し思わぬ怪我の原因にもなりかねませんので絶対に乗せないで下さいね!

冷蔵庫の上に物等を載せて
(2)次に設置状況はいかがでしょうか。
機種にもよりますが上面は5cm以上 左右は1cm以上隙間を開けてください。(これも放熱をし易くするためです)また熱気や直射日光が当たらないようにもしください。(本体が熱を持ってしまい放熱が悪くなります)
また水が掛かりやすいところも感電や故障の原因になりますのでお勧めできません。
(3)電源プラグは掃除しやすく点検できるようにしてください。
プラグの上側に埃などが溜まるとトラッキング現象(九州電力HP参照)が起こり発火の原因にもなります。
掃除をして埃が溜まらないようにしてください
いかがでしょうか。
上記3点はとても大切な事柄ですので是非とも守っていただきたいと思います。
冷蔵庫の外側周辺はこれ位にしまして、内部の庫内などに関してのアドバイスもさせていただきますね。
まずは冷蔵室、野菜室、ココは一番使いますね。
省エネのコツや上手な使い方は・・
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(1)
詰め込まない!
冷気の流れが悪くなり冷気の流れが悪くなり効率が下がります。
食品の間に隙間を作りましょう。
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(2)
ドアの開け閉めは最小限に短く!
冷気が逃げてしまい、電気の無駄がになります。
食品を出来るだけ整理整頓して入れることにより空けた時に迅速に取出しが出来ますので短時間で開け閉めが出来るようになります。
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(3)
熱いものは必ず冷やしてから入れてください。
庫内の温度が急激に上がり冷蔵庫もフルパワー運転になってしまうばかりでなく他の食品の鮮度にも影響してしまいます。
また冷蔵庫についつい何でも入れてしまう傾向があると思いますが(うちもそうです(汗))
入れなくて良いものは・・
例えば、カットされてない玉葱やじゃがいも、ごぼう、かぼちゃなどは(夏場を除いて)冷暗所で十分ですので冷蔵庫に入れる必要はありません。
またカットしていない南国などのフルーツは冷たくしすぎると色が変わってしまったり、
物によってはビタミンが減ってしまうこともあるようですので、食べる直前に冷やせば十分、なんてこともありまよ。
冷凍室は、"詰めすぎて"ください!?
さて、続いて次は冷凍室についてです。
冷凍室は食品同士に隙間があるよりもある程度、詰まっていた方がお互いの食品同士が作用しあって冷えが良いのです。
ですので、入れる物が少ない場合は、保冷剤など上手に用いて、隙間を埋めたりすることもアリです。
また出来るだけ整理整頓していただいておけば、冷凍した食品もすぐに探し出せて開放による冷気漏れも少なく済み、電気代の負担も軽減します。
さて、ここでおいしい冷凍の仕方3か条をお知らせします
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(1)
小さく薄く素早く凍結!
なるべく薄く小さく切って小分けしましょう。調理時も便利ですね。
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(2)
きっちり密封!
乾燥しにくくなります。(冷気が直接触れないように)ニオイ移りも防ぎます。
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(3)
再凍結しない!
解凍したものは使い切りましょう再凍結は味や栄養を著しく損ないます。衛生的にも×です。
プロが教える!冷蔵庫の買い替えタイミング
最後に冷蔵庫の買い替えのタイミングや買い替えされるときのアドバイスなどもさせていただきたいと思います。
冷蔵庫が故障してしまうと食品も無駄になってしまいますし、極端に言えば夏などでは生活にも支障が出てしまいます。(故障してから慌てて買い換えて機能が十分でなかった・・なんてこともあります)
ですのである程度の年数(9〜11年くらい)経過している冷蔵庫は故障して困ってしまう前に買い替えのご検討をしてもよろしいかと思います。
故障の前兆や能力の低下はまず冷凍室に現れることが多いです(特に夏場に多いですね)
アイスクリームや氷が解け始めている、(やわらかい。氷が解け始めて丸くなる)等の現象があるとコンプレッサーやセンサー、パッキンの能力が低下し始めています。
【コンプレッサー】
これは以前に比べてモーター音が大きくなった、振動する等あれば故障の前兆です
【センサー】
温度調節をする部品です、これが壊れてきますと冷蔵室でも食品が凍ってしまったり
霜がたくさん付き始めたり、の現象になります。
【ドアパッキン】
パッキンが緩んでくると冷気漏れが甚だしくなり、冷えの低下が起こります。
これの寿命診断はあるモノできます。
それは・・・名刺です!
閉めた状態の冷蔵庫のドアパッキンの隙間にに挟み込んでみてください。
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(1)
名刺が入りにくい
→まだまだパッキンは問題ありません。
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(2)
名刺が比較的容易に入り込む
→パッキンは少し痛み始めています。
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(3)
名刺が入り込みズリ落ちてしまう
→パッキンの交換の時期です。
(2)(3)のどちらかに当てはまり、、また、10年以上お使いでしたら、そろそろ・・・よろしいかと思います。
まだ使えるのにもったいない、ということもあろうかと思いますが、最近の冷蔵庫は省エネ化も進み、また使い勝手も向上しています。
冷凍室や野菜室の引き出しなどは以前のものに比べてワイドオープンで奥の方の食品がとても取り出しやすくなったり、おうちの方の行動パターンを学習してドアの開閉が多い時間は温度の上がるのを見越して前もって温度を下げたり、使用頻度が落ちる夜中はセンサーで感知し省エネ運転、なんて機能も装備されているものがあります。
そんなスゴイ機能を駆使した結果15〜20年前の冷蔵庫に比べると消費電力は半減してきております。(機種に依ります)
ですので昨今の電力不足も念頭にいれると・・・買い替えのご検討もあり、ですね。
あ、今回は、お手入れというより、電気屋魂が出てしまい、買い替え買い替え、となってしまいました・・・・少々反省。
でも・・・夏になると冷蔵庫には過酷なシーズンになります。
うちのお店でも夏場には突然故障し、「在庫のあるものなんでも良いのですぐ持ってきて!」なんておっしゃるお客様が夏場に必ずいらっしゃいます、そうなると予算もお組みでないですし、色も、機能も十分に検討できずで。
あまり、お気に召さずにまた10年以上のお付き合いに、なんてこともあります。
ですので故障の予兆を見逃さないように、たまには冷蔵庫の中や、周り、音などを気にしてみてください。
まとめ的には・・冷蔵庫に関しては、ゆくゆくのご満足、納得を頂ける為には、年数の確認や、故障の予兆を見逃さないようにし、あるタイミングでのお早めにお買い替えのご検討をした方がよろしいのかな・・と。
家電のプロ・高野亨さん プロフィール
高野 亨(たかの とおる)
株式会社光明電機 代表取締役社長
■保有資格
第二種電気工事士
医療機器の販売賃貸管理者
ガス可とう管接続工事監督者
電話工事担任者アナログ第二種
■趣味
愛犬と散歩、居酒屋探訪、車
家電のことなら!光明電機 お役に立ちます!
出典:http://www.koumeidenki.com/東京都中野区野方で創業50年の家業である家電販売店を継ぐ。この道一筋、電気屋さん歴24年以上。
エアコン工事、アンテナ工事、力仕事、トイレ掃除、テレビ出演等なんでもこなし、頼まれれば嫌や、と言えない昭和40年生まれの49歳。
2011年10月〜2012月3月までBSジャパン番組「家電の学校」内コーナー「家電訪問」にレギュラー出演。
初代案内人を務め大人気コーナーに育てあげる。
他 新聞、雑誌 メディア取材多数