
「今じゃなくて、10年後に愛着の湧く家にしたい」と思って選んだのが木の家でした。キッチンもリビングも新築時は本当にシンプルな空間で、装飾はあえて控えました。最初は自分の思う暮らしのイメージの7割くらいの完成度でちょうどよかったと今でも思っています。少しずつ手を加えながら3年目を迎え、やっと住み慣れた感じになってきました。
これからもメンテナンスはあると思いますが、経年変化を楽しみながら、愛着の湧く空間にしていきたいです。
木目の美しさを感じるリビング
わが家は2階リビングです。リビングに入り真っ先に視界に入るフォーカルポイントには、お気に入りのソファを配置しています。Hans J. Wegner のge290の3人掛けと1人掛けのハイバックのヴィンテージ。どちらも大切に使い続けていきたいものです。季節に合わせて小物やブランケットなどで変化を楽しんでいます。
木がたくさん使われているわが家。杉板の無垢材を使用した天井の板貼りは、かなりインパクトがあると思います。少しずつ飴色に変化し、風合いが増してきました。床材には固いアイアンウッドを使用、壁はポーターズペイントという石灰入りのざらざらした質感の塗料の塗り壁です。壁には余白を意識しながらもこだわりのものを飾るようにしています。
夜のリビング風景。愛犬アッシュがこちらを見ています。ほのかな柔らかいオレンジの光が好き。私がソファの次に好きなインテリア雑貨は照明なんです。ペンダント照明やスポット照明、スタンド照明などを色々組み合わせると、お部屋に立体感が出ますね。薄い木から漏れる明かりが美しいヤコブソンランプはリラックス出来ます。ダイニングのペンダント照明のPH50は昼間もオブジェ的な位置付けです。わが家の照明はほとんどLEDですが、今は電球色の照明もあるのであたたかな雰囲気を出せるようになってきたと思います。
秘密基地風のワークスペース
階段登ったときチラっと見える、小さなワークスペース。夫が別室にこもって作業するのがいやだという希望もあり、リビングの片隅に作ることになりました。内側には作りつけの本棚とPCスペースを備えています。間仕切り壁でゆるやかに目隠しされ、リビングからは丸見えにならない造りになっていて、秘密基地やコックピット感覚で案外落ち着くのです。壁には夫のDIY飾り棚(IKEAのフック付き)や木製の蛇腹ランプなど取り付けました。
お気に入りの道具が並ぶキッチン
ダイニングの照明、ルイスポールセン・PH50は、コードのたわみ具合がバランス良く、美しく見えるよう、テーブルの真上からあえて横にずらして取り付けました。色はワサビグリーンという優しいグリーンで、このぐらいの淡い色だとリビングにもなじんでいると思います。テーブルクロスも北欧ヴィンテージの生地などお気に入りのものを、その時々に合わせて選んでいます。
キッチン背面にある造作収納棚にも無垢の杉材が使用されています。傷が付きやすいので丁寧に扱う必要はありますが、だいぶ部屋に溶け込んだ飴色になりました。引き出しは、バスケットやケースを使ってしっかりフィットするように工夫して収納しています。 ストリングシェルフは2連結しています(設置は決めていたので建築時より壁に下地を入れてもらっていました)。コーヒーグッズや、作家さんのシェーカーボックスなど、愛用のものを時々模様替えしながら置いています。
パントリー内です。自家製シロップの保存瓶を並べて、観察するのが楽しい。よく使うものはあまり仕舞いこまないようにしています。ニトリの藤かごには根菜類やキッチンタオルなどをざっくり分類して投げ入れるだけの収納に。程よく隠れて、且、見渡せて、在庫もすぐわかります。油などのストックには無印良品のファイルケースが便利です。
家事動線を考えた水回り
水回り、寝室などは1階にあります。正面の引き戸は寝室とウォークインクローゼット。右側のオープンな位置に洗面台、左側の引き戸がお風呂と脱衣所になります。スペースに余裕はありませんが、この設計はとても満足しています。特に、洗面所と脱衣所を分けたのが、自分的にはかなりよかったです。ゲストが来ても洗濯機が目に入らないけれども、それぞれは近くにあるので動線は非常にスムーズです。 水回りに自分なりのこだわりがあるのは、すべて毎日毎日の生活、家事そのものにかかわってくるから。プチストレスがないように考えることでかなり気が楽になるし、小さな積み重ねこそ大切だと思っています。
プロフィール
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leafさん(女性/40代/パート 主婦)
- 建物の種類:一戸建て
- 間取り:2LDK
- 築年数:3年半
- 居住人数:2人と愛犬アッシュ(トイプードル)
- 好きな家具:Hans Jorgensen Wegner (ハンス・J・ウェグナー) 北欧家具
- 好きな雑貨店:favor、svalefurniture
- この家の好きなところ:リビングの天井の板貼り 造作建具 地産地消の木の家
- この家の悩み:上を見たらきりがないですが、身の丈なりには満足している
- HP:10年後も好きな家
編集者コメント
木のぬくもりが存分に感じられるleafさんのお部屋です。日中は太陽光、夜は照明のやわらかな光に包まれるリビングは、穏やかな雰囲気に満ちていますね。室内のグリーンや、ディスプレイ、季節によって模様替えされるソファなど、温かみがあって素敵です。
家の新築時は、あえて完成形は求めず、暮らしていく中で少しずつ理想に近づけてきたそうです。目指したのは、年月による変化を楽しみながら「10年後も好きな家」であること。部屋は飾りすぎず、「余白」の部分を意識しながら、厳選したものを並べるように。シンプルだからこそ、天井や床、建具などの木目の美しさは際立ち、家自体の持つ魅力を実感できる空間になっているんですね。
日々の積み重ねの中で育っていくものを大切にしているleafさん、毎日の家事もできるだけ快適で、スムーズに進むように工夫されています。家事動線を考えた間取りや、使いやすく見た目にもスッキリとした収納へのこだわりこそ、leafさんのセンスが表れているように感じました。
これからも毎日の暮らしの中で変化を続けていくleafさんのお部屋作りを楽しみにしていますね。