【避難用品】備蓄ゼロからはじめる災害用食品のしまい方
災害への備えはできていますか?大規模な災害や新型インフルエンザなどが発生した時のために、農林水産省では「緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド」を策定しました。それによると、自宅避難生活のためには、1週間分備蓄することを奨めています。これまで「何もしていない」という家庭でも、今からできる食品備蓄法をご紹介します。
1.自宅避難用の食品リストを作る
災害食と言えば、乾パンを思い浮かべる人が多いと思います。ところが、水分を摂らないと食べにくいというのはご想像の通りです。おまけに、固くて温かくない食べ物は食欲がわかないため、実際に被災した地域での評判はあまり良くないとか。また、被災後の健康管理といった面でも、栄養のことを考えた食品が必要です。
では、どんな食品を備えたらいいのでしょうか?農林水産省の備蓄ガイドによると、米・餅・パスタなどの主食、肉・魚・野菜などが摂取できる缶詰やレトルトによる副食、そしてスープ・みそ汁などの汁物を中心に揃えると良いとあります。今家にある食品ストックを見ながら、食品アイテムを書き出してみましょう。
- ★今すぐできること
- ・好き嫌いのある家族のために、食べやすい食品を選ぶ
・乳幼児や高齢者、食事制限のある家族がいる家庭は、特に注意してリストの書き出しをする
・果物、甘味、ナッツといったおやつになる食品を加える
・野菜ジュースや豆乳など、栄養バランスをとるための食品を加える
・ピーナツバターやマヨネーズといった、サバイバルに役立つ高カロリー食品の種類を調べてみる

2.3日分の分量を揃えてみる
備蓄食品は、たくさんあれば安心というわけではありません。食品リストをもとに、必要な分量を買い揃えてみましょう。できれば1週間分を備えておきたいところですが、いきなりその分量を買ってしまうのは失敗の元。せっかく買ったのに、家族の好みに合わなければ、災害時にも使えません。まずは、リストの中から選んだ食品を、家族の人数に合わせて1日分だけ買ってみて、試食してみるのがおすすめ。家族に好評なものが見つかったら、徐々に食品のバリエーションを広げて、3日分用意すれば失敗せずにすみます。
常温での食品ストックの分量として、最低3日分があれば、いざとうときに冷凍冷蔵庫の中から消費して、5日間くらいのやりくりができるようです。とは言え、やはり1週間分を目標に備蓄を進めていきましょう。水は、飲料用と調理用として1日1人あたり3リットルが目安です。4人家族なら12リットルで、2リットルのボトル6本入り1箱になります。
- ★今すぐできること
- ・1日分の水を購入して、そのために必要な収納サイズを測る
・1日分の備蓄食品の分量を見て、3日分の分量を予想する
・調理用としてカセットコンロとボンベを用意する

3.備蓄できる場所を作る
収納場所がないから備蓄していないという家庭は、意外と多いかもしれません。
なかには、ペットボトルの水だけは準備しておきたいということで、玄関や廊下に箱を積み上げていることも。
重たくて動かすのにもひと苦労するわけですが、こういった物品が通路をふさいでいると、いざという時の避難を妨げることになります。やはり、収納できる場所をきちんと確保することが必要です。
でも、いつ使うか分からない備蓄用だからと、納戸や押し入れの奥にしまいこむと、とっさのときに取り出すのが大変です。もちろん、日常よく使うモノを優先的に収納するのですが、備蓄用のスペースとして玄関収納の一角、キッチン収納の一部、クローゼットや押し入れの下段、納戸の入り口近くなど、使える場所を見つけましょう。
無理やり一カ所にまとめてしまおうとせずに、ペットボトルの置き場所、お米を保管する場所、缶詰やレトルトのストック場所といった、アイテム別に場所を決めておくのも手です。
- ★今すぐできること
- ・下駄箱に履いていない靴があったら、処分して備蓄場所をつくる
・クローゼット内の床を整理して、ペットボトル用に場所を空ける
・納戸に置いてある古い家電や段ボールを処分して、備蓄食品の箱が置けるようにする
・ラックを使って、収納スペースを効率よく使えるようにする

<アイリス収納・インテリアドットコムのおすすめ商品>
4.賞味期限を管理する
災害用にと特別な食品を買い置きすると、気付いたら賞味期限切れといった失敗につながりかねません。
食べなれている食品をベースに、日常のストックとして備蓄するのが、無駄にしない最大のコツ。
普段の食事に使って、食べたら補充する「ローリングストック」という方法を取り入れましょう。
このやり方なら、むやみに長い賞味期限のものにしなくても、食べたいと思える食品を買い揃えておけばいいのです。
インスタント食品やレトルト、パスタ、乾物など、すでに持っているものでも日持ちのする食品が色々あります。
日頃から使っている食品であれば、賞味期限の管理も簡単。必要なものを使うついでに、棚にあるストックの食品を目で確かめておきます。納戸や廊下にある収納など、使う頻度が低い場所にある食品は年に1回、3月11日といった日にちを決めて点検しましょう。
- ★今すぐできること
- ・今あるストック食品の賞味期限を点検して、古いものを処分する
・頻繁に使う食品と、たまに使う食品が混ざらないように、収納場所や収納ケースで入れ分ける
・賞味期限の近い食品を手前にして、順番に消費できるよう食品の並べ方を変える
・棚や入れ物に食品の種類を書いたラベルを貼る

種類別にケースに収納して、ラベルを貼っておくと管理しやすい
いざというときに安心して過ごすためには、普段の暮らし方が肝心。
災害時に「野菜不足だった」と訴える人は、日頃から野菜を摂る習慣がないという傾向があるそうです。
栄養バランスの良い献立を心掛けていると、食品ストックの種類も自然とバランス良く整えられるはず。
災害時を想定した献立を、ときどき取り入れてみるのもいいですね。
被災しても日常に近い食生活で、健康と安心を手に入れましょう。
<アイリス収納・インテリアドットコムのおすすめ商品>
-
-
≪傾けてもこぼれにくい≫
非常用飲料水袋はこちら
-
非常食・飲料入りの、避難リュック19点セット。
避難リュックセット食品付はこちら
-
携帯電話とスマートフォンの充電も可能。
手回し充電ラジオライトはこちら
-
≪使用しない時は折りたためる≫
取手付折りたたみコンテナはこちら
プロフィール
すはらひろこ (片づくおうちプランナー)
一級建築士、インテリアコーディネーター
株式会社アビタ・クエスト代表取締役
共働き経験をいかした収納術とおしゃれなインテリアで、雑誌のビフォアアフター企画でも活躍。 TV東京TVチャンピオン【お部屋リフォーム王】、TBS系「王様のブランチ」、NHK総合「あさイチ」ほかテレビ・ラジオ出演や講演、著書など多数。
総合情報サイト【オールアバウト】で収納ガイドを務め、連載記事は幅広い読者層に好評。
著書:『1分からはじめるかたづけ術』(だいわ文庫)
『朝、着る服に迷わないハッピー収納術』(大和書房)
ほか
