収納力がアップするラクラク衣替え術

衣替えのシーズン!服が収まらない、あるはずの服が見つからない…など衣替えの度にストレスを感じている人も多いはず。収納グッズや収納スペースは使い方をちょっと工夫するだけで、衣替えはもちろん、毎日の整理整頓がグンとラクになりますよ。

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目次

衣替えのシーズン!服が収まらない、あるはずの服が見つからない…など衣替えの度にストレスを感じている人も多いはず。今回は、衣替えのストレスをなくすコツを住生活アドバイザーのすはらひろこさんにお聞きしました。収納グッズや収納スペースは使い方をちょっと工夫するだけで、衣替えはもちろん、毎日の整理整頓がグンとラクになりますよ。

すはらひろこ先生

すはらひろこ先生
住生活アドバイザー、一級建築士、整理収納アドバイザー認定講師。 共働き経験をいかした収納術とおしゃれなインテリアに定評がある。テレビ東京「TVチャンピオン」【お部屋リフォーム王】、TBS系「王様のブランチ」、NHK教育「住まい自分流」ほかテレビ・ラジオ出演や講演など多数。 著書に『5分間「整理・収納」BOOK』(三笠書房)、『朝、着る服に迷わないハッピー収納術』(大和書房)がある。

どうして衣替えってこんなに面倒なの?

衣替えを面倒にする大きな原因は、「洋服が多すぎること」。増えすぎた洋服をただ右から左に動かすだけでは、いくら収納場所、収納用品を増やしても、収納の悩み・ストレスは解決できません。


しかも、次回の衣替えの時期にも同じことの繰り返しで、時間も労力もムダが多いですよね。だからこそ、最低年2回の衣替えの時期は、「不必要な洋服をチェックするチャンス」ととらえ、持っている服を見直しましょう。


洋服の全体量は、収納スペースに合わせて調整するのがポイント。必要な洋服の全体量を把握したら、「出し入れしやすい」「選びやすい」「傷まない」の3つを心がけながら収納しましょう。


衣替えのノウハウは、日々の衣類整理をラクにする生活術でもあるのです。

衣替えの前にここをチェック

春〜夏の衣替えのベストタイミングは?

気温が不安定な春から夏にかけては、 3回に分けて徐々に衣替えをするのがベスト。モノは少しずつ動かし、しっかりお手入れをしてからしまうのが重要です。今からでも遅くはありません。梅雨前に冬ものをお手入れしながら、夏服へとチェンジしていきましょう。

季節の変わり目の衣替えは、小分けにするのがコツ

気温が不安定な春から夏にかけては、 3回に分けて徐々に衣替えをするのがベスト。モノは少しずつ動かし、しっかりお手入れをしてからしまうのが重要です。今からでも遅くはありません。梅雨前に冬ものをお手入れしながら、夏服へとチェンジしていきましょう。

1回目:3月末

新年度に向けて衣替えスタート。まだ肌寒い日も多いので、この段階でしまうのは、厚手のコートやセーター、ダウンなど、真冬用のもの。クリーニングに出すものを中心に。

2回目:4月末〜5月初旬

2度目の衣替えは、連休を使い、薄手のセーターやニットなど、自宅で洗えるものをしっかりお洗濯。次のシーズンも着たい服かどうかをチェックしながらお手入れを。

3回目:6月初旬

梅雨前に、残ってしまった冬物を洗って収納。さらにこの段階になったら、少しずつ初夏に向けて着たい服を出していきましょう。

衣替えの基本!まずは押入れ&クローゼットを点検!

押入れ&クローゼットの掃除は必須!

押入れ&クローゼットの掃除は必須!

普段モノが詰まっていてお掃除が行き届かない押入れ&クローゼットは、衣替えのタイミングでしっかりお掃除をしましょう。押入れやクローゼットは、洋服やふとんの出し入れをするため、ホコリや糸くずなどが溜まりやすい場所。それらが梅雨時に湿気を含むと、カビなどが発生しやすい不衛生な状態に!掃除機や雑巾などで、キレイに汚れを取り除いてしまいましょう。

しまう前に、必要な服かどうかをチェック!

しまう前に、必要な服かどうかをチェック!

服を入れ替える前に、ワンシーズン着なかった洋服を確認。流行遅れだったり、サイズが合わなかったり、着なかった理由があるはずです。必要のない服は減らしましょう。捨てずにリサイクルショップを利用する場合は、季節外れの服を扱ってくれないショップも多いので、まずは不要な服をひとまとめにして分けておき、次のシーズン前にリサイクルショップに持って行くのもよいでしょう。

収納ツールの選び方、使い方がポイント

収納ツールは、サイズや素材もさまざま。選ぶポイントは、収納ツールを置く場所と、しまいたいアイテムの相性がよいかどうか。使い勝手のよいツールをセレクトできれば衣替えはグッとラクになります。

布ケース

収納ツールの選び方、使い方がポイント

収納ツールは、サイズや素材もさまざま。選ぶポイントは、収納ツールを置く場所と、しまいたいアイテムの相性がよいかどうか。使い勝手のよいツールをセレクトできれば衣替えはグッとラクになります。

引き出しケース

引き出しケース

出し入れのしやすい引き出し式の衣装ケースは、着る頻度の高い衣類を収納するのに向いています。ケースを複数積み重ねて使うなら、胸よりも下の位置までに。高く重ねすぎると、探しづらくなります。浅めのケースは下着やソックスなど小さいアイテム、深めはニットやジーンズなどに適しています。奥行きのバリエーションも豊富ですが、同シリーズのもので揃えると、重なり具合も安定し、見た目も美しくなります。

フタ付ケース

フタ付ケース

フタ付のケースは、スキーウエアやダウンなど、しばらく使わないオフシーズンものの収納に適しています。ベッド下を有効に活用できるベッド下用ボックスや、押入れなど奥行きのある場所に便利なキャスター付きなどいろいろありますが、中身が見える透明なものがおすすめです。深すぎるケースは中身が把握しづらいので、ラベルを貼るか、浅いケースを二つ重ねて使うと管理しやすくなります。

収納力がアップ!冬・春モノの上手なたたみ方

通年クローゼットを占領しがちなダウンやコート。たたんでしまえば、クローゼットをオンシーズンの洋服のために有効に使うことができます。丸めると意外にかさばるタイツも、たたんだほうが小さくきれいにたくさんしまえます。

1.ロングコートのたたみ方

1.コートのボタンを留めて、両腕を広げ、平らになるように置く。
1.コートのボタンを留めて、両腕を広げ、平らになるように置く。
2.衿を立て、袖を直角に折り、平らになるように整える。
2.衿を立て、袖を直角に折り、平らになるように整える。
3.袖の下の部分に合わせ、腕の部分を抑えながら裾の方に折る。腕と身頃の間に巻いたタオルを挟むとたたみジワが防げる。
3.袖の下の部分に合わせ、腕の部分を抑えながら裾の方に折る。腕と身頃の間に巻いたタオルを挟むとたたみジワが防げる。
4.裾側をかぶせるようにし、長方形になるように折りたたむ。
4.裾側をかぶせるようにし、長方形になるように折りたたむ。

2.ダウンジャケットのたたみ方

1.ダウンジャケットを広げる。ポケットと前身頃のジッパーを留める。
1.ダウンジャケットを広げる。ポケットと前身頃のジッパーを留める。
2.袖が膨らまないようにしながら、両方の袖を折って合わせる。
2.袖が膨らまないようにしながら、両方の袖を折って合わせる。
3.身頃を半分に折る。
3.身頃を半分に折る。
4.さらに半分に折ると崩れやすいので、エコバックなどを利用して袋に入れると小さくまとまる。
4.さらに半分に折ると崩れやすいので、エコバックなどを利用して袋に入れると小さくまとまる。

3.タイツのたたみ方

1.つま先をそろえて両脚が重なるように置く。ひざのあたりで半分に折り、ウエストテープの部分とつま先をそろえる。
1.つま先をそろえて両脚が重なるように置く。ひざのあたりで半分に折り、ウエストテープの部分とつま先をそろえる。
2.下の方から4分の1を中心に向かって折る。
2.下の方から4分の1を中心に向かって折る。
3.同様に上から4分の1も折る。
3.同様に上から4分の1も折る。
4.ウエストテープの中に反対側の折った部分を入れ込むと、丸めて結ぶよりずっと小さくなる。
4.ウエストテープの中に反対側の折った部分を入れ込むと、丸めて結ぶよりずっと小さくなる。

ズボラさんのためのラクラク収納アイディア

そもそも片付けが苦手…というズボラさんのために、超カンタンな収納法を伝授。

衣装ケースを縦にして詰める

衣装ケースを縦にして詰める

シーズンオフの衣類は、衣装ケースを縦にしてから下から上に積み上げるようにして収納。重ねた衣類の重みで2〜3割多く収納できます。衣装ケースの幅と高さに合わせて、同じサイズにたたむのがコツ。

手袋、マフラーなど冬小物は洗濯ネットに

手袋、マフラーなど冬小物は洗濯ネットに

手袋、マフラー、帽子など、冬に使うアイテムは、大きめのランドリーネットの中にざっくりまとめて入れて衣装ケースへ。ママ用、お兄ちゃん用、と使う人別にネットを分けておくと、次に使用するときにラク。

冬用の毛布は男性用Tシャツに

冬用の毛布は男性用Tシャツに

毛布は四角に小さくたたんでTシャツに入れてしまえば、かさばらず、崩すことなく収納が可能。厚手のシングル毛布なら、メンズのMサイズですっぽり収まります。首元の伸びたTシャツを捨てずに有効活用!

かさばる家電やブーツもしまいたい。収納スペースの上手な配置法は?

押入れの場合

押入れの場合

押入れは左右と中段と下段とを用途に合わせて使い分けて、使用頻度やアイテムでまとめて収納。

収納グッズを上手に利用して出し入れのしやすさを重視しながら収納するとよいでしょう。


例えば、左側は洋服の収納用にして、上段に「押入れ用のハンガーラック」、下段は収納力が高く使いやすい押入れタイプの引出し衣装ケースを使用。右側の上段には毎日使うふとんを入れ、下段は「押入れ整理棚」を利用。押入れ整理棚は、下に奥行きのない小さめのプラスチックケースを置くと、その奥の空いたスペースに、使わない家電などがスッキリ収まります。


靴箱を占領しがちなブーツも、買った時に入っていた箱や専用ケースに入れて下段に収納。

クローゼットの場合

クローゼットの場合

クローゼットは、シーズンオフの服などを入れた布ケースを上段にしまいましょう。毛布やブーツなどもできれば上段へ。下段には衣装ケースを使用し、オンシーズンのものを収納。バーにかける服は、カテゴリー分けをしてかけておくとよいでしょう。


オンシーズンのもの、もしかしたらまだ着るかもしれない季節モノ、冬物の残り、通年着る服など、かたまりごとに分けてかけましょう。


家電は買った時に入っていた段ボールに入れて収納しようとするとかさばります。ごみ袋など大きなビニール袋などをかぶせるだけで、コンパクトに収納でき、ホコリや汚れも予防できます。

毎年衣替えをするのが億劫。 時短できる方法は?

毎年衣替えをするのが億劫。時短できる方法は?

衣替えのとき面倒なのは、服が混在してしまい、今すぐ着たい服が見つけられないこと。 探したり、整理し直す手間を省くには、服をしまうときに似たもの同士をひとまとめにしておくこと。その場合「風呂敷」や「大判スカーフ」を使うと便利です。着る時期の似た服をかたまりにして風呂敷にくるみ、そのまま衣装ケースへ。次のシーズンには、その風呂敷ごと取り出して、移し替えれば衣替えが完了。改めて整理する手間が省けます。袋などに入れるよりもシワになりにくく、傷みにくいのでおすすめです。

季節の変わり目の時期。 まだ使うかもしれない服の収納法は?

季節の変わり目の時期。まだ使うかもしれない服の収納法は?

気候が不安定な時期には、温度調整用に時々使いたい服が残りがち。そうした「まだ着るかもしれない」洋服は、クローゼットの片側にまとめてかけたり、衣装ケースの上にカゴを使ってまとめて置くなど、オンシーズンの服と分けておきましょう。
クローゼットでは、バーに洗濯バサミを挟んで目印にして、かける場所を分けるのもおすすめです。分けておくと、いざしまう時期になったときに、あちこち探したり忘れたりすることなく一度にお手入れをすることができます。

これから使う「春〜夏服」。湿気対策を教えて!

これから使う「春〜夏服」。湿気対策を教えて!

湿気対策には換気が必要です。クローゼットや押入れの中も、除湿機をかけたり、サーキュレーターで風を当てるなどして湿気をとばすように心掛けましょう。
その際には、クローゼットは扉と衣装ケースの引き出しを開けた状態で、空気がこもりがちな押入れは、ふすまを中央に寄せると、空気を循環させてしっかり換気をすることができます。

シーズンオフの服の収納。カビ&虫食い対策は?

シーズンオフの服の収納。カビ&虫食い対策は?

カビを予防するためには、湿気をとばしてから収納することが重要。冬ものなどを手洗いした後に部屋干しでゆっくり乾かすと、乾く間に雑菌が繁殖しやすいので、除湿機で手早く乾かした方が衛生的です。クリーニングに出した洋服もそのまましまうのはNG。袋から一度出して風を通さないと、湿気がこもり、カビやにおいの原因になるので注意。
虫食い予防に使う防虫剤は、規定の用量通り正しく使うこと。最近は、収納黄ばみを防止する防虫剤もあるので利用するのもよいでしょう。

すはら先生からのアドバイス

風水では、モノは常に動かしてあげるほうが運気が上がると言われています。衣替えに費やす時間がもったいないと思うかもしれませんが、入れっぱなしにしていたのでは、せっかく買ったお洋服は傷むだけ。それこそもったいない! 湿気が多い日本は、意識して洋服も動かしてあげる、使ってあげることが一番のお手入れなのです。


どうしたら使いやすくなるのか、出しやすくなるのか、そう考えながら衣替えをすれば、しまい方が変わってきます。しまい方を変えると、使い勝手がよくなり、洋服を活用する機会がぐっと増えます。つまり洋服もお金も有効に使うことにつながるのです。

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