1.タンスとは

タンスは衣類・小道具などを整理保管するのに用いる木製家具の総称です。
引出し・開き戸がついていて、重量のある大型のものが一般的。
広い意味で「チェスト」「ワードローブ」と混同されることがありますが、ここでは別個のものとみなします。
タンスの特徴
「桐箪笥」の何がいいの?
タンスの一番の特徴は、素材である「木」の部分です。
素材に着目することもあり、「桐箪笥」はよく聞く言葉ですよね。桐箪笥は何がよいのでしょうか?
桐にはとても優れた性質があり、
周囲の湿度が上がると湿気を吸収し、湿度が下がると湿気を放出する通気・調整機能を持っています。
じめじめした日は桐自体が湿気を吸って膨らみ、外気からの湿気をシャットダウン。
反対に乾燥した日は木材が収縮し、引出しの内部へ積極的に外気を取り込むようになります。
これにより、特に湿気に弱い着物などの収納に重宝されています。
便利な桐箪笥ですが、他の木材でできたタンスはどのような特徴があるのでしょうか?
タンス収納のメリット・デメリット
木材タンスのメリット・デメリットを表にすると、次のようになります。
- ◎メリット
- ・調湿機能(天然木)
- ・熱伝導率の低さ
- ・肌触り
- ・風合い
- ×デメリット
- ・カビ・湿気
- ・天然木ものは高価
- ・重い
メリットとしては、先ほども挙げた調湿機能。
桐以外の木材も調湿機能を持っていますが、これは「天然木」ならではの特徴です。
安価のタンスは一見木製に見えても、表面に合板やプリント紙を貼っているだけという場合も。この場合は、調湿機能は期待できません。
また、木材は熱伝導率の低さにより、熱すぎず冷たすぎず、ほんのりとした温かみを感じられます。
ほかにも優しい肌触り、経年とともに増してくる木地の風合いなど、木材をお好きな方も多いと思います。
半面、気にしたいのがカビ・湿気対策。
タンスの中だけでなく、家具と壁の間や床面もカビが発生しやすく、定期的な通気と確認が必要です。
また、良いタンスになればなるほど高価な傾向にあります。加えて重量も重く、一度設置したら次に動かすのが大変というデメリットも。
「プラスチック製のタンス」?
木製のタンスのほかに、上記のようないわゆる「チェスト」も広義にタンスと呼ぶことがあります。両者の違いはなんでしょう?
木製タンス | プラスチック製 チェスト |
|
---|---|---|
風合い | ○ | △ |
調湿性 | ○〜△ | × |
価格 | ×〜△ | ○ |
動かしやすさ | × | ○ |
プラスチックは木独特の風合いや調湿性は持たない分、価格が安いため手に入れやすいというメリットがあります。また、プラスチックは木に比べ非常に軽量です。掃除や模様替えで家具を頻繁に動かしたい!という方は、扱いやすいプラスチック製チェストの方がかえって向いているかもしれません。
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2.木製タンスのお悩み、どう解決する?
タンスのカビ・湿気対策
高級で上質な総桐箪笥でも、放っておけばカビが生えます。高級なタンスでさえそうなのですから、ふつうの木製タンスはよりカビ・湿気に注意を払う必要があります。
カビを防ぐには@除湿
タンス内外のカビを防ぐには、第一に除湿です。除湿剤や家電を使って、カビの原因となる湿気を取り除きましょう。タンス用の除湿シートを使うのがポピュラーな方法です。
いらない新聞紙が余っている場合は、タンスの下段に敷いておくだけでも除湿+防虫効果があります。湿った空気は下側へ集まるため、下段の除湿を厚めにしておくとよいでしょう。
また、タンスの内外に「空気の通り道」を作ることも大事です。タンスと壁の間にすき間を開ける、定期的に引出しを開けて空気を入れ換えるなど、意識的に行います。
湿気がひどい場合は、除湿機やサーキュレーターといった家電を併用すると効果的に除湿ができますよ。
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カビを防ぐにはA掃除
除湿対策に加えて、定期的にタンスの掃除を行いましょう。何もしないでいると、衣類の糸くずや空気中のチリがホコリとして溜まり、ホコリがカビや虫の原因になり・・・と、良いことがありません。天気のいい日には、時々服を取り出して日光で消毒。タンスも引き出して拭き掃除・乾燥させましょう。
除湿対策には「空気の通り道」作りが大事とお伝えしましたが、タンスの中身も同様です。服を満杯に詰め込んでいると、引出し内に空気の通り道がなくなりカビの元になります。衣服はゆったりとしまい、服にもタンスにも優しい収納を心がけることが大切です。
3.着物・洋服の収納
着物の収納
お手持ちのタンスに着物をしまっている方も多いことと思います。「タンス」「着物」そして「カビ」・・・この3つは切っても切り離せない関係です。タンスの中にしまう着物のお手入れ方法について、簡単におさらいしておきましょう。
お手入れ
一度着た着物はタンスにしまう前に、着物用ハンガーに掛けて陰干しします。十分に湿気を取り除いたら、汗じみや化粧汚れが袖、襟に付着していないかチェック。汚れている場合は、水で固く絞ったタオルで叩くなどして染みを落とします。乾燥させたら、たとう紙に包んで引出しにしまいましょう。
着物は「洗える」?
基本的に着物は「洗いません」!最近では洗える着物も出ていますが、染料が落ちたり反物が縮んだりといったリスクが生じるため、家庭洗濯はしないのが無難。昔の人はどうしていたのかというと、数年に一度「洗い張り」をしていました。着物をほどいて洗い、板張りして乾かしたものを再度着物に仕立て直していたのです。現代であれば、大がかりな洗濯方法をとるよりは、クリーニングに頼んだ方が手軽です。
洋服の収納
たたみ方&仕切り方のコツ
衣類は収納ケースの高さ・サイズに合わせてたたみます。防虫剤や除湿剤が行き渡るように、パンパンに詰めず収納の余裕を設けておきましょう。
引き出し収納は「立てる」収納がおすすめ!上から見た時に着たい洋服をすぐ探せます。シンプルなブックエンドを支え代わりに使えば、洋服を取り出しても倒れることなく、しっかり支えてくれます。
4.タンス×お部屋
昔ながらの和箪笥は何となく古臭い…と考えてはいませんか?そんなことはありません!木特有の風合いを生かした、素敵なお部屋例を紹介します。
≪和室 和風のクラシカルな雰囲気に≫
日本の家具であるタンスは、当然和室との相性も抜群です。クラシカルな雰囲気に洗練さが加わった、素敵なお部屋をご紹介します。
トレンドの「琉球畳」
縁(へり)が無い畳を、「琉球畳」といいます。和室の雰囲気がスタイリッシュになる、今流行の畳です。正方形の形を活かして、2色の畳を市松模様に組み合わせることが多いようです。
画像のお部屋は、シンプルな装いの和室の中でタンスの茶色がアクセントになっています♪和室に隣接した板の間も、解放感があってとても素敵です。
机として使えるタンス。周囲の木材に比べて濃い茶色のタンスが、空間を引き締めています。木材の色みを合わせなくても、素材の風合いが合っているので大丈夫!温かみのある調和が生まれます。
ノスタルジーな畳×タンス
琉球畳だけでなく、もちろん縁のある畳ともタンスは相性抜群!昭和を思い起こさせるノスタルジックな雰囲気が、居心地の良さを演出してくれます。
≪洋室 和洋の融合≫
意外にも、洋室のインテリアとタンスを合わせた写真を多く見かけました。和洋折衷という言葉があるように、全体のイメージを見ながらインテリアを組んでいくと、異なるテイスト同士の調和が生まれるようです。タンスが素敵なアクセントになっています!
素敵なお部屋をチェック
タンスとワインセットを合わせると、どことな明治・大正期を思わせる和アンティーク感があります。文明開化の足音が聞こえてきそうです。
周囲の小物やライティングが、お部屋の雰囲気をぐっと演出しています!照明の色温度も大事なのだと気付かされます。
シンプル&シックなy.u さんのお部屋。お家の一角は和室の空間があります。客間として利用されているそうです。
寝室は洋室なのですが、周囲のインテリアとタンスが見事に調和しています。お部屋のテイストが異なる場合でも、インテリアの色味を統一すると空間に馴染みます。
ベッドわきのテーブルも、タンスと同じ焦げ茶色です。
レトロな雰囲気漂うeiko+さんのお部屋。お部屋の壁に珪藻土や漆喰、ペンキを塗ったり、家具をリメイクしたり…eiko+さんのセンスが光ります。
ミックスインテリアなお部屋ですが、レトロ感に一躍買っているのは「タンス」!インテリアのテイストが幅広いからか、かっちりし過ぎない解放感が感じられます。
タンスの上をディスプレイ
タンスの上は収納スペースであり、飾るスペースにもなります。天面に手が届くサイズのタンスであれば、上にお気に入りのものを飾ってみましょう。
画像は、ランプと糸巻が飾ってあります。小物もレトロ感を添えています。
画像のお部屋は電話機やお花を飾っていらっしゃいます。アッシュミントグリーンと呼ぶべきでしょうか、使いこまれた木地と小物のカラーコントラストが素晴らしいです!
こちらの画像は、手作りのドライフラワーリースをディスプレイしていらっしゃいます。タンスの取っ手はクラシカルなデザインが多く、お花や洋食器といった上品な小物と合いますね♪
こちらは、時計と…飼い猫ちゃんです!どこか大正ロマンの雰囲気があります。木地は触り心地もいいので、猫ちゃんが気に入って登るのもわかる気がします。
タンスのリメイク家具
タンスをリメイクした商品もあります。こちらは、明治時代のタンスをリメイクした収納棚です。タンスに脚をつけると、全く違う家具に見えるのは驚きです。和なインテリアとして、お部屋に一つ取り入れたいですね♪
5.アイリスオーヤマ厳選!おすすめ引出し収納
ここまで見てきた中で、「正直、私の家にはチェストの方がいいかな…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、アイリスオーヤマがおすすめする収納グッズをご紹介♪収納のお悩みがきっと解決しますよ。
引出しの重さでお悩みの方に
木製タンスは湿気を吸い込むため、引出しが重くて開けづらくなりますよね。
そんな引出しの重さでお悩みの方は、アイリスオーヤマの「HGチェスト」シリーズがおすすめ!
画像は、天面が木でできている「ウッドトップチェスト」です。
引出しはスライドレールを採用しており、驚くほどするっと引き出すことができます。高い位置にある引出しを苦労して開けたり、重さに悩むこともありません。
衣替えの際には、引出しごと上下を入れ換えることができます。
組み立てられた完成品で届くため、面倒な組み立てがいらないのも手軽でGOODです。
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- ウッドトップチェスト 5段
- リビングの収納にピッタリの木天板付きのおしゃれなチェストです。
- 詳細を見る
賃貸住宅の方に
賃貸住宅で大きなタンスはいらない、でもちょっとした「たたむ収納スペースがほしい」…
そんな方には、「BCチェスト」がおすすめ!
使いたい個数だけ、サイズに合わせて購入・スタックができる優れものです。
幅と高さをそれぞれサイズ展開しています。お部屋のすき間をちょうどよく埋められるコンパクトサイズです♪
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- チェスト BC-S ホワイト/クリア
- リビングの収納にピッタリの木天板付きのおしゃれなチェストです。
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タンスの質感が好きな方に
タンスの落ち着いた茶色、木目が好きという方もいらっしゃいますよね。そんな方には、アイリスオーヤマの「マルチユースチェスト」がおすすめです。
シンプルなホワイトと、木目ブラウンの2色展開。スライドレール採用で、するする引出しが開きます。インテリアと機能性と兼ね備えた便利商品です!
引出し自体はプラスチックでできています。中身を取り出してお掃除したい時にも◎。
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- マルチユースチェスト
- リビングの収納にピッタリの木天板付きのおしゃれなチェストです。
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さいごに...
いかがでしたか?今回は、タンスをお使いの方「あるある」のお悩み解決アイデアと、タンスをインテリアに馴染ませるコツをご紹介しました。ご自宅にタンスがある方も検討中の方も、ポイントをおさえてカビしらずの快適収納を目指しましょう!